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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9

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  「島さん、ありがとう。」

サーシアは携帯を切った後もう一度お礼を言った






  〈サーシアちゃん〉

どこからかユキの声がした

  〈今日はお疲れさまでした。緊張して疲れたでしょう?〉

ユキの言葉にサーシアはうなずくだけだった

  〈ありがとう〉

ユキの大きな瞳から涙がこぼれてきた

  「ユキさん…」
  〈私の両親に遠慮しないで甘えて。本当の両親だと思ってわがまま言っていいのよ。
   それを私の両親も希望してるわ。〉
  「はい…」
  〈がんばってね〉

ユキはそう言ってにっこり笑うとサーシアの意識の中から消えて行った












顔合わせから二週間が過ぎて新学期前に森夫婦と一緒に暮らすためサーシアが進の建てた家に引っ越すことになった

  「お世話になりました。」

サーシアが涙をこらえて藤堂夫人にお礼を言った

  「いつでも遊びにいらっしゃい。その時はごちそうたくさん用意して…そう、いつか
   紹介するって言った孫娘も…ね。学校が楽しくなるといいわ。」

夫人の眼も涙がいっぱいだった。サーシアはこのままだと泣いてしまうと思い

  「…行ってきます」

そう言って藤堂と一緒に迎えに来たエアカーに乗った。エアカーの横に相原が立って待っていて藤堂夫人に一礼した



静かにエアカーは藤堂家を後にした。夫人は見えなくなるまで涙を流しながら見送った



  「サーシアちゃん、ほら」

相原はそう言って助手席からハンカチを手渡した。サーシアの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

  「サーシア、これからきっともっと楽しい事が待っている。楽しい事ばかりでは
   ないかもしれないがこれから地球で生きて行くのに大事な事を学ぶんだ。
   それには出会いもあれば別れもある。別れは辛いがそれ以上にいい出会いが
   あると思って頑張ってほしい。」

藤堂は隣に座るサーシアに声を掛けた

エアカーは赤土を巻き上げながら緑化地帯に入り海を見ながら三浦についた













顔合わせの後森家は急いで引っ越しの準備を始め一週間後には必要な物を全部三浦に送りほぼ引っ越しは完了していた。

  「こんにちは」

サーシアの引っ越しの日に合わせてクルーが三浦にやって来た。

  「いらっしゃい、お待ちしていたわ。やっと落ち着いたのよ。」

ユキの両親はにこやかにクルーを出迎えた

  「ちょっと見てほしい部屋があるの」

ユキの母はお茶はあとでね、と言いながら階段を上り二階の奥の部屋にクルーを案内した




  「入って…」

その奥の部屋に入ると所狭しと島が持ち帰った進とユキの私物、写真が飾られていてカバーに包まれていたがウェディングドレスも掛っていた

  「森さん…」(島)
  「えぇ…ここは二人の部屋なの。寂しくないようにたくさん飾っちゃった…ドレス、
   どうしようかと思ったんだけどユキがいつでも着れるように、って…」

クルーは部屋に入ると懐かしそうに部屋を見渡しながら写真を見た

  「ありがとうございます。今日は持ってこれなかったんですがまだ二人の私物が
   あるので今度お届けします。」

島は涙をこらえてそう言うと

  「そうね、待っているわ。」

ユキの母は“下で待ってるからゆっくり下りて来てね”と言って部屋を出て行った













  「彼らは?」(父)
  「二人の部屋を見てもらってるわ。ただ置いてる部屋、になってるからもう少し
   落ち着いたらサーシアちゃんと一緒に棚を買いに行ってくるわ。」

ユキの母は二人で買い物に行く楽しみが出来て楽しそうだった。

  「そうだな、女二人じゃうるさそうだ、私は留守番だな」

父は嬉しそうな妻を見ながらコーヒーを飲んだ










作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9 作家名:kei