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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9

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しばらく走るとリニアのステーションが見えてその先にコンクリート造りの大きな建物が見えてきた

  「…立派な家が建ってるなぁ」

父親がそうつぶやくと

  「…その建物が古代が建てた家です。」

相原がそう言うと門の前でマイクロが止まった

  「立派過ぎないか?」(父)
  「恐らくこの人数で来ても大丈夫なように、と思ったんでしょう…全く人の事ばかり
   考える二人でしたから…」(島)

二人が会話してる横で藤堂から相原がカードキーを受け取り門を開き玄関の扉を開いた






  「広い…」

一歩中に入ると広いリビングでその先に大きな窓があって海が一望できるようになっている。サーシアはその海に見入るように窓に近付いた

  「すごい…」

マザータウンからみる海と違うがこの太陽に照らされる美しさに見入ってしまっていた

  「このリビングを中心に左右に部屋があります。2階もいくつか部屋があります。
   駐車場もあって…」

島がリビングから窓を開けて駐車場を見るとエアカーが一台止まっているのが見えた

  「あれ?エアカーがあるぞ?」

島が相原の顔を見て言うと相原が端末を取り出してそこから見えるナンバーを読み取って調べ始めた





  「名義は…ユキさんになっていますね。エアカーの支払いも済んでます。」

相原はリビングで藤堂とエアカーの事を調べていた。島がそれを横で見ていてそれ以外の人は進が建てた家を森夫婦に案内していた

  「随分奥まで調べたんだな。」(島)
  「まぁね。家を払いきっちゃうくらいだから…ひょっとして、って思ってさ。古代って
   金持ちだったのかな?」(相原)
  「まぁ両親の残したものと守の退職金を使ったのかもしれないな」(藤堂)
  「かもしれませんね…しっかしここに住むつもりはない、って言っててどうしてここまで
   お金かけたんでしょ?いつでも使ってくれ、なんて…」(相原)
  「本当だな…でもユキの両親とサーシアのためになってよかったんじゃないか?」(島)
  「自分ためじゃなくみんなのため、ユキの両親のため、なんて…古代は普段も自分の事は
   後回しだったんだな。」

藤堂は少し呆れた顔だった













  「長官、あんなすごい家に住んでいいんでしょうか?」

帰りのマイクロで父親が藤堂の横に座っていてそう尋ねた

  「いい家ですね。古代はきっと自分たちが住むようになったらご両親を呼ぶつもりで
   あの家を建てたんじゃないでしょうかね。いえ、私も実はそうだったんです。今住ん
   でる自宅はいずれ私の両親を呼ぼうと思って建てました。住む前に残念ながら病死
   してしまいましたが…」(藤堂)
  「そうですか…すみません、思い出させてしまって…」(父)
  「いえ、そうではなくて古代の両親はすでにいなくて自分にはユキの両親しかいない
   と常にユキにそう話していたと聞いています。自分がいない時で仕事があいたら
   実家に顔出すように、とも言っていたといいます。ただユキは忙しくてたまの休みも
   ほとんど寮にいたようですね。私があちこち連れて行ってましたから…その辺りは
   私の配慮が欠けていました。すみませんでした。」(藤堂)
  「いえ、そんなことはありません。ユキは仕事が楽しくてしょうがなかったみたいで…
   いきいきしていました。時々画面で見るユキはまるで自分の子供じゃないような…
   そんな感じでした。連絡がないのは元気な知らせ、と思っていましから…」(父)
  「そう言っていただけると幾分楽になります。」

藤堂はそう言って少し笑った

作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 9 作家名:kei