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機動戦士ガンダムRS 第39話 ゆれる世界

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「だとすれば地上で戦力を合流させるより宇宙に出てから戦力を合流させた方がいいですね」
 サオトメの推測には、含みがあった。
「どういうことだ?」
 マーク少将がサオトメに詳細を求めた。
「これは、私個人の考えですがおそらく大西洋連邦は新たなる総旗艦を開発したでしょう。
そしてその発射のタイミングを見計らっている」
 サオトメの言葉に皆は、戦慄した。
「その情報を元にL4のコロニー群にわが軍を誘い出しあわよくば返り討ち。
そして総旗艦は、その隙に宇宙に上がり悠々と艦載機を搭載する」
 ブライアン艦長がサオトメの話を要約した。
サオトメは、うなずいた。
「しかしそれでも陽動任務の混成艦隊がそれなりに持久戦を行えることが前提だがそれは、どうだ?」
 イームズ艦長が逃がしてしまった混成艦隊の持久能力を疑問視した。
その時ケイト准尉が挙手した。
サオトメは、無言で発言権をやった。
「以前第251遊撃艦隊は、L4のコロニー群にて哨戒任務を行いました。
その際何基かのコロニーがまだ稼働可能なのも調査済みです」
 ケイト准尉がL4のコロニー群の状況を伝えた。
「L4のコロニー群にて大規模な戦闘が行われたという情報は、ありますか?」
 サオトメは、間髪入れずにイームズ艦長に質問した。
「聞いてない」
 イームズ艦長が答えた。
L4のコロニー群に巨大なデブリが来てない限り状況は、ケイト准尉の話した通りだろう。
そして稼働可能なコロニーに籠城すればある程度の持久戦は、可能である。
サオトメの推測が現実味を増してきた。

        ※

 コロニー連邦共和国では、コロニー軍総帥のアダムが演説を行っていた。
「戦士たちは、何処へ行きたかったのでしょうか?
何が欲しかったのでしょうか?
戦場で今日も多くのコロニー軍兵士と地球軍兵士が死んでいきます。
彼らは、死ぬためにこの世に生を享けたわけではないはず。
愛する者を失う心の傷は、コーディネイターもナチュラルも変わりません。
にも関わらず地球軍は」

        ※

 かたや地球では、ザラ大統領が演説を行っていた。
「戦いなど誰も望みません。
では、何故このような事態となったのでしょうか?
思い出していただきたい。
自らが生み出したものでありながら進化したその能力を妬んだナチュラル達が我等コーディネイターへ行ってきた迫害の数々を。
にもかかわらず我等の生み出した技術は、強欲に欲しコロニー連邦共和国から連綿と送りつけられてきた身勝手で理不尽な要求の数々を。
それに反旗を翻した我々に答えとして放たれたエイプリル・フール・クライシスでのあのニュートロンジャマーの敷設を。
この戦争は、我々がなんとしても勝利せねばならないのです。
敗北すれば過去より尚暗い未来しかありません」

        ※

「国のため死んでいった人々が実は、自国の都合により切り捨てられ死んでいったとしたらどうでしょう?
無論コロニー軍も二等兵などが戦地で戦うことも珍しくありません。
しかし彼らは、未来のコロニー軍を支える原石なのです。
この戦いで得たり大切なものを捨てることで成長した彼らは、机の上で教材を覚えたり訓練した人材よりもよほど価値のあるものです。
それを自分たちの都合で切り捨てるなど常軌を逸しているとしか言えません。
我々は、ここに誓います。
志願兵でコロニー軍に入った二等兵たちを決して犬死などさせません」

        ※

「我等は、もはやナチュラルとは違う新たな1つの種なのです。
確かに現状を抱える様々な問題も存在します。
しかしそれらもいずれは、我々の叡知が必ず解決する」

        ※

「戦争の終わりとともに憎しみの連鎖を止めましょう。
戦争の根源は、いつの時代も間違った指導者と偏った思想の元に起きています。
これらが戦争の根源でありコーディネイターが戦争狂のような種族では、ありません。
しかしいうほど簡単では、ありませんがこうしなければ我々に未来はありません。
だが我々ならできます。
コロニー連邦共和国の政治家も軍人もブルーコスモスのような反コーディネイターの思想家は、いません。
このような温かい心を持つ者が政治や軍にいるのは、ひとえに国民が素晴らしいからです。
みなさん、これからも大西洋連邦やユーラシア連邦のように偏った思想を持たず人類は家族という思想を掲げ続けましょう」
 ここでアダム総帥の演説は、終わった。

        ※

「苦しくとも今を戦い、そして平和で輝かしい我らコーディネイターが統治する世界を目指しましょう」
 ここでザラ大統領の演説は、終わった。

        ※

 プトレマイオス基地では、さらに昇進したクルーゼ少将とフラガ大佐が補給艦に向かっていた。
「久しぶりのアークエンジェル配属は、うれしいかね?」
 クルーゼが意地悪そうにフラガに質問してきた。
「からかうのは、よしてください。
配属先は、偶然ですから」
 クルーゼ少将とフラガ大佐の配属先がアークエンジェルに決まったのは、偶然だった。
「もしかしたら君は、アークエンジェルに配属される運命づけられているのかもしれない」
 クルーゼは、フラガが赤い糸で運命づけられていると考えていた。
「大天使と赤い糸か。
できれば女性がよかったんだが」
 フラガ大佐は、苦笑しながらアークエンジェルと赤い糸が結ばれているかもしれない感想を述べた。
「ラミアス艦長とさ」
 クルーゼは、フラガと赤い糸で結ばれた人を言った。
瞬間フラガが驚いた。
「気づかなかったと思うかね?
あの人は、いい人だと思うよ。
君にお似合いだ」
 クルーゼは、仮面の下に笑みをこぼしてそういった。

         ※

 ラクスは、ザラ大統領に呼ばれた。
「出撃の時間ですか?」
 ラクスは、ザラ大統領に質問した。
「申し訳ないが君の力も使わざる負えない状況になった」
 ザラ大統領は、申し訳なさそうにラクスに戦況を話した。
「いいえ。
私は、大丈夫です。
何か新しい情報は、ありますか?」
 ラクスは、ザラ大統領に目新しい情報はないか質問した。
「ビクトリアの死守に成功した」
 ザラ大統領は、自分が指揮したわけでもなくまして戦ったわけでもないのになぜか誇らしげに答えた。
「コロニー軍の戦力もかなりの物だとお聞きしましたが」
 ラクスがつかんでいた情報では、コロニー軍はオーブに主戦力を回しそれを宇宙に戻さなくてはならなくなりビクトリアに向かった戦力を低下させることに成功した。
しかしそれでもコロニー軍は、かなりの戦力を保持しビクトリアへと攻めてきた。
「わが軍は、新型のモビルスーツを投入した。
奴らの出鼻をくじくくらいは、できる」
 この戦いで確かにコロニー軍は、ビクトリア攻略に失敗したがそれ以上に地球軍の地上戦力は疲弊しビクトリアから宇宙へ戦力を送ることが不可能になってしまった。
「そうですか。
私達ももっと頑張らねばなりませんね」
 ラクスは、気合を入れなおした。
 ラクス達は、エターナルに乗り込むため軍港に向かった。

          ※