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バトルロワイアルAnotherstory三村信史の章

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故に豊は気がついたのだ 自分達を喰らい
尽くさんとする破滅の牙が今正に襲い
かかろうとしている処を


   「・・・・・・・」
   スウゥ


  ・・その男の手にはマシンガンが
握られていた・・




バトルロワイアル another story 
三村信史の章 中編 絆(パス)



  ・・それは瞬きする程の刹那の出来事
だった・・


パララララララァアアアアア!!


豊「信史ぃいいい!! 〔ドン!!〕
 「おわっ」 〔ボスボスボスボスボス!!〕
 がはぁああ!!」



   「!?」


三村「豊!?」


僅かな時間の出来事だった 僅か数秒だった
遅いくる敵が銃を構える姿を見た瞬間
豊の頭の中にあったのは信史を守りたい
この素晴らしい友人を守りたい ただ
それだけだった


襲撃者がマシンガンの引き金を引くのと
豊が三村を突き飛ばす動作は全くの同時だった


信史は豊に突き飛ばされた時何十もの何かが
豊の身体に吸い込まれて逝くのを見た気がした


信史「痛っうぅっう・・豊一体何を・・豊?
・・嘘だ・・ろ・・豊ぁああ!?」


そして尻餅をついた信史が次に見た光景は
全身穴だらけになり夥しい血を流している
友人の姿だった


信史「何だっ 一体何があったってんだ豊!?」


深い喜びに浸っていたせいでマシンガンの
音を聞き逃していた信史は訳がわからず
混乱しながらも豊に駆け寄ろうとするが
その瞬間項垂れていた豊が瞳を見開き咆哮する



豊「来るな信史っ 走れっ走るんだぁ
あああ!!」


信二「っ!?」


最早死を待つばかりの凄まじい流血ながらも
再び絶叫した豊の声に思わず三村は踏み留まる
其処へ又しても悪魔の咆哮が木霊する


   カチリ
   「・・・・」
   パララララララァアアアアア!!


豊「おごががぐわがぁああああ!!」


信史「おぁああああ!! 豊ぁああああ!!」


マシンガンの音が唸りを挙げ豊の命の灯火を
消さんと炸裂する その悪意に耐えられず
豊は死のダンスを踊る


見ていられずに堪らず駆け寄ろうとする
信史に豊は最後の魂の炎を燃やして絶叫する


豊「ぼく・・ふたりの・・・ンク・・ト
・・はやっ・・・・は・・るん・・だ」


信史「豊っお前って奴は!?・・くそっ!!」
ダダッ


それは颯爽声にはなっていなかった 
豊本人は絶叫したつもりだろうがその口から
漏れたのは消え入りそうな声に過ぎなかった


しかし伝わった 彼には確かに伝わった
信史は豊の最後の言葉を確とその魂に
刻み込んだ


そして信史は走り出す 豊の意志を無駄に
しない為に


信史「!? 木の陰に誰か居る・・奴は!?」


銃弾の飛んできた方角から考えて襲撃者は
森に居ると推察した信史は倉庫に逃げようと
踵を返した だがその時信史を追いかけようと
木々の間から姿を現した襲撃者の姿が見えた


その男は三年B組の中でも一際異彩を放ち
尊敬する叔父から戦う術を身につけた
信史の目をもってしても感情の読み取れない男
桐山和雄であった




信史「桐山お前はっ!?お前が豊を!!」


和雄「・・・・」
スゥ


襲撃者桐山和雄は最早呼吸が止まりピクリとも
動かない豊には目もくれず 次なる標的
信史に銃を向けると容赦なく引き金を引いた


パララララァアアアアアアアア!!
信史「豊っ豊!!・・くそっ!!」


信史は一瞬倒れ伏した豊に視線をやるが
悔しそうに唇を噛み締めると直ぐ様落とした
荷物を全て拾い倉庫に駆け出す


頭の中は取り返しのつかない後悔で一杯だった


信二「豊ぁああ!! 畜生っ畜生ぉお
おおお!!」


信史は身体と心で絶叫する 中学に入ってから
ずっと一緒だった たった三年然れど三年
何者にも代え難い大切な三年間だった


想い描けば直ぐに頭の中に浮かぶ豊との出会い
中学に入って直ぐの頃今よりもずっと
非弱だったのに 高校生の玩具にされていた
小さな捨て猫を助ける為に悠然と立ち
向かっていった豊


それを知った時素直に尊敬した 叶わないと
思った 何よりもその心が強いと思った
常に物事を客観的に捉えてしまう己には
持つ事が出来ない純粋で優しい心を豊は
持っていた


この殺し合いの中で彼奴を守れなかった俺に
こんな事を言う資格はないのかもしれないが
俺は豊が大好きだったずっと一緒に居たかった
これからもずっと一緒に居られると思っていた


だがその最高の親友はもう何処にも居ない
俺の掌から零れ落ちてしまった


だが彼奴は死の瞬間俺に最高の贈り物をした
今迄で最高のパスを俺に託してくれた


信史「渡しやがったっ 豊の野郎っ 
俺に最高のパスを出しやがった!! 
畜生畜生畜生畜生畜生ぉおおおおお!!」


総ては自分の責任だった 自分が心を乱し
大切なチームワークすら乱してしまった
その結果として飯島だけでなく豊迄も
喪ってしまった




信二「豊ぁ済まないっ 俺のせいで!!
お前を死なせちまった」


だが豊はこんな愚かな俺にパスをくれたんだ
最高のパスを


信史には豊の最後の言葉がしっかりと
聞こえていた


あの消え行く最後の瞬間豊はこう言ったのだ
薄れゆく意識で 懸命に力を振り絞り
僕等二人のダンクシュートをと 早く
走るんだと そう彼は言ったのだ


だから絶対に無駄にするわけにはいかない
友の意志を魂を彼奴との絆を


信史「豊・・お前の気持ち確かに受け取った
決めてやろうぜあの悪魔に!! 俺達二人で
最高のダンクシュートをな!!」


深夜0時を過ぎた倉庫の中 差し込む光は
月明かりのみ 闇につつまれた倉庫の中で
今最大の戦いが始まる 


それは恐らくはこのプログラムの行方を
左右する最大の闘いだろう


三村信史vs桐山和雄 友の意志を胸に
恐るべき悪魔に戦いを挑むザ・サードマン
三村信史 冷酷無比な破滅の骸人殺人機械
桐山和雄


果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか


  ・・決めてやろうぜ信史 僕等二人で
極上のダンクシュートを・・






バトルロワイアル Another
story

三村信史の章 後編 ダンクシュート





ガシャン!! ギイイィバタン
信史「はあっはあっ・・大丈夫だ豊任せとけ
お前が繋いでくれたパスは俺が必ず決めてやる
さあ早く追いついて来い桐山お前にぶち込んで
やるぜ豊と俺の極上のダンクシュートを!!」


俺は勢い良く倉庫の扉を開け放ち中に
転がり込むと今度は慎重に外の様子を伺う


信二「ふう ふうっ・・クールだクールに行け
三村信史 身体は熱く心は冷静に決して
怒りに飲み込まれるな・・ふうぅぅ・・
大丈夫だよおじさん最後までクールに
やってみせるよ」


俺は大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせる
今更逃げるつもり等更々ない 桐山とは
此処で必ず決着をつける そしてその思いは
彼奴も同じ筈だ 再戦はない両方助かる道も
ない待ち受けるは生きるか死ぬかのどちらかだ


そして脳裏に浮かぶのは先程の自分の失態に
より命を落とした二人


一人は自分に意志を託して息を引き取った