二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10

INDEX|3ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

話は少し遡る



ヤマトが都市帝国を破ってから一年…ヤマト没記念日当日が近付いていたある日… 




  「こんにちは」

クルーが合わせて休暇を取って森宅へやってきた。

  「いらっしゃい。サーシアはまだ戻らないけどそのうち戻ると思うわ。どうぞ」

ユキの母は快く5人をリビングに通した

  「早いものであれから1年ですね…軍の内部も随分落ち着いてきましたがまだまだ
   人材不足で…」(島)
  「そうですね…でもうちもそうですが一般市民に仕事がある人が増えてるじゃないで
   すか。それって復興がすすんでる、と言う事だと思いますよ。」

ユキの母はキッチンからお茶を運んできた。

  「どうぞ」

テーブルには二つ多くお茶が並べられる。森家では当たり前の光景で食事の時も必ずお箸を二人分多く並べるのが普通だった

  「ありがとうございます」

クルーはお礼を言うとお茶を頂いた




  「…一年って早いわね…」

ユキの母がカップを手に持ちながらそうつぶやいた

  「ユキと進くんが亡くなったって聞いて…私信じられなくて…でもユキの手紙のおかげ
   で今こうしてサーシアの母でいられてる…天国と地獄とまた天国と…なんだか駆け巡っ
   たような一年だったわ。あなた達には感謝してる…本当にありがとう。」

そう言って座ったままだがクルーに頭を下げた

  「森さん、そんな…」

島がそう言うと

  「時々主人と話すのよ。ユキの歩んだ道は間違ってなかった、って。ユキのおかげで
   私たちは今こうして元気でいられてる…とても幸せだわ。一周忌、ってもっと
   しみじみしてないとだめかしら、って思ったけど…」

そう言って笑うユキの母はユキに良く似ていた

  「一周忌に合わせて二人の遺品をお持ちしました…」

島と太田が持っていた荷物をユキの母に渡した

  「開けてもいい?」

少し遠慮がちにクルーに聞くので

  「どうぞ…お開けください」

島が静かに言うとユキの母はそっと荷物を解いた

  「まぁ…」

宝箱を開けるような感じでユキの母は中のものを出し始めた。チップホルダーには今までためていた写真が入っているのだろう…

  「これ、中、見ました?」

そうユキの母は尋ねたが

  「いえ、さすがにそこまで見ていませんよ。見たらユキさん怒りそうですし…ユキ
   さんが怒ると怖いんですよ。古代も恐れていたからな。」

島が面白おかしく言うと

  「あら、じゃぁ主人に似たのね」

ユキの母はそう言って流した。ユキの母は古代の遺品に手をかけた

  「本当にうちで預かっていいのかしら?イスカンダルにいるとはいえお兄さん健在
   なんでしょう?」(ユキの母)
  「えぇ…そうですが」(島)
  「できるだけ一緒にしておいてあげたいんですよ」

南部が島の後を引き継ぐように言った

  「そうね…」

ユキの母は複雑そうな表情で遺品を見つめていた

  「森さん、こちら長官からお預かりしました。」

相原が封筒を三つ見せて

  「こちらはヤマト没記念日の招待状です。英雄の丘で今回関係者だけでひっそり
   イベントを行いますのでサーシアちゃんを連れて是非、と思いまして…(最初の
   封筒を手渡す)そしてこちらがユキさん(二つ目の封筒を手渡す)最後にこちらが
   古代の…(最後の封筒を手渡す)退職金になります。」

“退職金”という言葉にユキの母は相原の顔をじっと見つめた

  「古代とユキさんは行方不明と言う事で死亡リストに載っていません。ユキさんは
   密航のため搭乗者リストに載っていない、古代は行方不明艦に載っていたと言う事
   で死亡者リストでなく行方不明リストに載っているんです。行方不明から一年で退職者
   扱いになり退職金が支払われますがもし戻ってくれば復職できます。」

相原の説明にユキの母は長官の配慮だとすぐに分かった。相原が持っている封筒を全て受け取ると

  「…そう…そうね、いつか戻ってくるかもしれないわね…」

そう言って封筒を胸に抱えた






作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10 作家名:kei