続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10
「当日、英雄の丘に来ていただけますか?」
山本が招待状を見てるユキの母に聞くと
「主人は仕事の都合を聞かないとダメかもしれないけれど私はサーシアを連れて一緒に
行きます。サーシアは英雄の丘が好きみたいで学校が早く終わるとリニアに乗って
行ってるみたいで…」(ユキの母)
「そうですか、よかったです。是非お待ちしておりますので…」(太田)
クルーとユキの母は遺品を見ながら話してると
「ただいま!」
と玄関から元気な声が聞こえてきた
「お帰り」
大勢の声で返事があったのでサーシアは少し息を弾ませていた
「みんなが来るって聞いてたから走って帰って来たの!」(サーシア)
「サーシア、行儀悪いわよ、先に手を洗ってらっしゃい」(ユキの母)
「はぁい…まだみんな帰らない?大丈夫?」(サーシア)
洗面所に向かうサーシアはクルーに聞いた
「大丈夫だよ、まだ帰らないから。ちゃんと手を洗っておいで」(島)
サーシアはご機嫌でスキップしながら洗面所に向かった
「随分ご機嫌ですね」(南部)
「いえね、皆様が来るって昨日話したの。余り前から言うと学校休みたい、って言い出し
たら困るから…学校も楽しいけどみなさまに会えるのがサーシアの一番の楽しみ
なのよ。でも軍の寮に入ったらなかなか…ねぇ。」(ユキの母)
「そうですね…でも以前話したように横須賀で、と言う事なので近いし…大丈夫だと…
私時々横須賀行くのでその時は様子を見てメールしますね。」
太田がそう言うと
「あら、それは心強いわ。でも何のために横須賀へ?」(ユキの母)
「はい、勤まるか分かりませんが航海図の講師として…なんです。」
恥ずかしそうに答える太田に
「この太田が作る航海図はすごくて太田が作れば安心して航海できる、ってお墨付き、
みたいなもんなんですよ。」
南部が太田の肩を叩きながら言うと
「え…」
太田が何も言えずにいると
「…太田がいたからイスカンダルも行けたんですよ。」(島)
「島…」(太田)
「安心して操縦かんを握れたのは太田のおかげです。太田に教わる生徒は幸せ
だと思いますよ。まぁすごい厳しいと思うけど…こいつこんなだけど…自分にも
厳しい
ので…」(島)
「え?太田さん、厳しいの?講師として、って事は私も教わる可能性もある、って
事でしょう?訓練学校行くの考えちゃう!」(サーシア)
「まぁサーシアだけひいきするわけにいかないしねぇ…」(太田)
「サーシアはもう訓練学校の試験に合格したつもりになってるわ」
母がサーシアの紅茶を運びながらそう言って笑った
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10 作家名:kei