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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10

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  「それともう一つお話があります…実はイスカンダルへ行く計画があります。できれば
   サーシアも同行させたいと思っていまして…出来れば夏休み中に、と思っていますが
   おそらく航海が長いので夏休み中に戻れるかわかりません。中学を休む形になるかも
   しれないので保護者である森さんに了承していだたこうと思い…次にイスカンダルへ
   行く時は訓練学校を卒業した後、となるので…」

相原が今度イスカンダルに里帰りしたら少なくとも3年はイスカンダルに行けない事を伝えたかった。サーシアもイスカンダルへ行くと聞いた最初は嬉しそうにしていたが相原が話し終わると

  「じゃぁ今度帰ったらしばらくお母様とお父様に会えないって事?」(サーシア)
  「…残念ながらね。飛び級があれば違うだろうけど順調にいけば卒業まで3年…通常一般
   市民は軍用艦に乗れないから…サーシアがYUKIに乗ってイスカンダルへ行くこと自
   体普通じゃあり得ない事なんだ。」

島が説明すると

  「でもイスカンダルはサーシアの故郷だしスターシアさんもYUKIがイスカンダルに
   向かう時は戻ってきて、って…言ってただろう?まだ日程は決まっていないが今度
   イスカンダルに行く時にお父さんとお母さんにしっかり甘えて…」

島が言い聞かせるように言ったがサーシアは黙り込んでしまった

  「サーシア…」

ユキの母が会話に入ってきた

  「あなたが選んだ道よ…厳しい、って太田さんも言ってたじゃない。ユキを引き合いに
   出すのは良くないと思うけどあの子は12歳から一度も戻ってこなかったわ。勉強して
   一日でも早く医師になってひとりでも多くの人を救いたい、って…サーシアも少し
   イスカンダルに帰るのを我慢して…一日でも早く一人前になって正式な乗組員として
   イスカンダルに行った方がご両親、喜ぶんじゃないかしら?自分の事だけ考えちゃ
   だめよ。」

ユキの母は厳しくそう言った。

  「あなたはわかっているはず…でも気持ちが付いてこないのよね。わかるわ…だって
   自分を産んでくれた両親にしばらく会えないんですもの…我慢しろっていう私だって
   辛いわ。でもね、今しなくてはいけない事…それを理解してほしいの。」

ユキの母はサーシアの手を取ると

  「ここにいる人は全員そう…早くからご両親と離れて訓練学校に通ったの。だから
   サーシアの気持ち一番よくわかると思う。本当のご両親の代わりになんてなれない
   かもしれないけど寂しくなったらいつでもここへきて…本当のお母さんに会いたい
   って言って私に甘えて…ね?」

ユキの母の手のぬくもりにスターシアを思い出したサーシアの瞳から大粒の涙が落ちた。













  「サーシアちゃん、大丈夫かな。」

森宅を出た5人は山本の運転でエアカーに乗っていた

  「それにしてもよく…似てる。ユキさんに…。」

南部がつぶやくように言うと

  「そうだな…お母さんがユキさんによく似てるから本当の親子みたいだよな。なんだか
   本当の親子、みたいないい感じで…自然だったよな。」(相原)
  「…本当にやり直してるんだろうな。」(島)
  「やり直し…か。」(南部)
  「大学に行く時も…ヤマトに乗る時も…古代との結婚も全て反対した事をとても後悔
   してた。こんなに短い人生だとわかっていたら好きな事を好きなだけやらせてやれば
   よかった、ってね。」

島は赤土だらけの道の後ろにある緑地帯を見ていた









作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10 作家名:kei