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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10

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  「幕の内さん!お手伝いに来ました。」

サーシアが厨房に顔を出した。サーシアの声に幕の内が奥から出てきた

  「やぁサーシアようこそ!だな。ここまでは一人で来たのか?」(幕の内)
  「ううん、お父さんとお母さんが一緒に来てくれたわ。一人で大丈夫って言ったんだ
   けど…心配だから、って。たくさんおやつも買ってくれたんだけど荷物半分以上
   お菓子で…ちょっと恥ずかしかったわ。」(サーシア)
  「ははは、ちょっとそこまで、の遠足気分だな。まぁいいじゃないか。」(幕の内)
  「さぁ何から手伝いましょうか?」

サーシアは消毒用の手洗いを済ませると厨房専用の白衣を来て幕の内と厨房の奥へ入って行った





  「通信回路、異常なし」(相原)
  「波動エンジン異常なし」(山崎)
  「第一、第二砲塔異常なし波動砲、異常なし」(南部)
  「航海長、レーダー、操舵、ワープシステム異常なしです。いつでも出航できます」(太田)

島はうなずきながら艦長席に座る藤堂に向かい

  「長官、出航準備整いました。」

と言いながら敬礼した

  「よし、では島、出航の指揮をとれ。」(藤堂)
  「了解!」

その一言で第一艦橋のメンバーは自席に座わり島の指示を待った












軽いGがかかりYUKIが動き始めたのをサーシアは感じた。わずかな横ゆれもなくスムーズな心地良いGがかかる

  (お母様、待っていてね…)

サーシアはそっと目を閉じた




YUKIは一度月に寄り資材を下ろすと以前と同じように花束を人数分積み込むと1時間後に出航して行った。

  「この種、イスカンダルの花の種なんです。もしよければ増やしてみてください。」

島はそう言って数種類の種を花屋に渡した。

  「まぁそんな珍しいものをいただいていいんですか?」(花屋)
  「私達は言うなれば船乗りです。ずっと地上にいるわけいかないので植物を育てる
   事ができません。でもあなたなら信用できるし…ぜひ育ててみてください。一応
   このチップに育て方を入れておきました。イスカンダルでは言葉は悪いですが
   その辺に生えてる雑草と同じです。でも可憐な花が咲くのでぜひ地球でも見る事
   ができたらいいだろうな、と思いまして…」(島)
  「わかりました、挑戦してみます…」

そう言うと花屋はチップを受け取り

  「今回も喜んでいただけると嬉しいです。航海のご無事をお祈りしております。」

そう言ってYUKIの乗組員を送り出した










そして前回と同じようにヤマトの消滅地点で全員が思い思いの花束をまいた。サーシアは季節外れだがスズランを選んだ。

  「英雄の丘に咲いてたお花がほしいの」

花を選ぶ時島にお願いしていた。季節外れだったのでたくさん用意する事は出来なかったがミニブーケっぽくうまく花屋がまとめてくれていた。乗組員はそれぞれの思い出を振り返るようにしばらく色とりどりの花の空間を見つめていた












  〈サーシアちゃん、ありがとう。とてもかわいいわね…〉

サーシアがベッドに横になっているとユキの声が頭に響いた

  「ユキさん、気に入ってくれた?」(サーシア)
  〈えぇ、もちろんよ…ねぇサーシアちゃん、イスカンダルに帰りたいって思わない?〉

ユキがベッドに腰かけた

  「えぇ…イスカンダルもいいところだけど…私ね迷ったけど地球に来てよかったって
   思ってる…ユキさんのご両親にもよくしてもらって…幸せだわ。でも私ね学校より…」

サーシアが言葉に詰まった

  〈学校より?〉(ユキ)
  「YUKIに乗ってる方が楽しいの…どうしてかしら…こう、ワクワクするっていうか…
   じっとしていられない…と言うか…ドキドキしちゃうの。学校で男の子と話ししてる
   のとは全く違くて…やっぱり周りが大人だから?かなぁ?」(サーシア)
  〈ん?さぁ…どうしてかしら?〉

ユキが含むような言い方をした

  「お父さんとお母さん私がいなくて寂しがってないかしら?」(サーシア)
  〈かなり寂しいみたい。久々にヨコハマへ戻ってるわ。サーシアのいない部屋に戻る
   のが辛いみたいね。サーシアちゃんはもう私以上に娘になってるわ。〉

ユキがにっこり笑う

  〈娘らしくない娘だったからね…サーシアちゃんが甘えてくれるのが嬉しいのよ。〉
  「本当?大丈夫?」
  〈本当の娘が言うんだから…間違いないわ…さぁ明日の仕事に差し支えたら大変ね
   じゃぁ私はそろそろ退散するわ…お花、ありがとう。みんなにもそう、伝えて…〉
  「えぇ、ユキさんおやすみなさい。」



いつの間にかサーシアは眠りについていた













作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 10 作家名:kei