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激ニブ星の恋人?

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おまけ的な

呼び鈴が鳴ったので、桂は居間で茶を飲んでくつろいでいたところを畳から立ちあがり、玄関のほうに向かった。
「俺だ」
戸の向こうから聞こえてきたのは、銀時の声である。
だから、桂は鍵を開けた。
戸に手をかける。
直後、ガラッと勢いよく戸が引かれた。桂よりも先に、銀時が開けたのだ。
思わず、桂は手を引っ込めた。
敷居の向こうに、夜の闇を背景にして銀時が立っている。
「かくまってくれ!」
そう銀時は訴えた。
寝間着代わりにしているっぽい作務衣姿で、しかも、裸足である。
桂は眉根を寄せた。
「だれに追われているんだ」
「ゴリラだ」
「なに!? 真選組の近藤か!?」
「いや、そーじゃなくて、ソイツにストーキングされてるほう」
「お妙殿か」
「ああ、新八の家で、安静にしてろってさァ、監視されてたんだが、ちょっとでも動くと殺されかかるわ、危険物を無理矢理食わせようとするわで、あんなところにいたら、こっちの身が持たねー」
「しょうがないな」
お妙についての噂はいろいろ聞いている。
今の銀時の話は大げさではないだろう。
「中に入れ」
身体を退いた。
すかさず、銀時が敷居を越えてくる。
銀時が家の中に入りきると、桂は戸を閉めて鍵をかけた。
それから、居間にもどる。
銀時は畳にあぐらをかく。
その机をはさんで正面に、桂は腰をおろし、銀時の茶を淹れてやる。
「……それで、身体のほうはどうなんだ」
元気そうに見えるが、実はやはり安静にしているほうがいいのではないか。
「あ?」
銀時は湯飲みを口に運ぼうとしていた手を止める。
「ああ、ぜんぜん大丈夫だ」
そう言ってから、茶を飲み、湯飲みを机に置いた。
「まァ、俺の身体は頑丈にできてるからなァ」
その眼が向けられる。
「で、おめーはどーなんだ」
「ああ、……あ、そういえば、おまえには礼を言わねばならんな。この家まで運んでもらったのだからな」
高杉の船からパラシュートで脱出し、森の中に着地したあと、気を失ってしまった。
次に眼がさめたときには、この家の布団に身を横たえていた。
「まーた電池切れ起こしやがって」
「俺は機械じゃない。電池で動いているわけがなかろう」
文句を言い、しかし、思い直す。
「いや、違う、礼を言うつもりだったんだ。おまえには感謝している。ありがとう」
「……まァ、それはともかくとして、テメーの身体のほうはどーなんだ」
礼をあっさり聞き流し、銀時は再度聞いてきた。
こだわるなと思いながら、桂は答える。
「大丈夫だ。おまえと合流した頃にはもう傷はふさがっていたし、この家にもどってからは安静にしていたからな」
「そーか」
銀時は相づちを打つ。
さらに。
「そいつァ、良かった」
一瞬、その表情がふっとなにかがほどけるようにやわらいだ。
優しい表情。
え、と桂は戸惑う。
もしかしてコイツは俺が大丈夫なのかどうか確かめたくてここに来たのか。
そんな考えが頭をかすめた。
ズルいな、と思った。
だが。
なにがズルいんだろう?
よくわからない。
銀時の顔からは、桂を戸惑わせた優しい表情はすでに消えてしまっている。
まあ、いいか。
深く考えるのはやめて、桂は少しさめてしまった茶を飲んだ。









作品名:激ニブ星の恋人? 作家名:hujio