激ニブ星の恋人?
銀時はため息をついた。
それから、さらに桂から離れた。
首筋をボリボリかいている。
桂はソファから身を起こす。
ソファに座った。
「……帰る」
少しして、そう告げると、ソファから立ちあがった。
「その格好でか?」
銀時からツッコミが入った。
うっ。
桂は内心うめいた。
自分が作務衣姿であるのを忘れていた。
だって、しょうがないだろう、あんなことがあったあとなのだから……!!
そう心の中で言い訳する。
そして、ふたたびソファに座る。
座ってから、せめて向こうのソファに移動すれば良かった、と気づいた。
「今日は泊まっていけ。別に俺ァおめーになんかする気はねーし」
そう淡々と言い、銀時は歩きだした。
テーブルを挟んで向こう側にあるソファのほうへと。
「待て」
桂は銀時を止めた。
「なんだ」
立ち止まり、銀時が聞いてきた。
桂は眼をそらし、言う。
「どうせくちづけるなら、おでこになんかするな、ちゃんと口にしろ……!」
恥ずかしさのあまり、背中から汗がどっと噴きだした気がした。
「オメーなァ、自分がなに言ってんのかわかってるのか……?」
「わかってる!!」
おでこにキスされたなんて、照れくさくて照れくさくて、とてもここにはいられない。
しかし、ここにしばらくとどまらなければならない。
だから。
うつむいている桂の視野に、銀時の足が入ってきた。
銀時が正面に立った。
「……ヤケクソでも、冗談でもねェのなら、顔、あげてくれ」
だから、桂は顔をあげた。