激ニブ星の恋人?
ドドドドドと、すごい勢いで駆けてくる者がいる。
銀時だ。
近くまで来ると急ブレーキをかけて、立ち止まった。
その姿を高杉は冷静に見る。
高杉のまわりには鬼兵隊の主要メンバーがいる。
「高杉!」
銀時は興奮した様子で高杉の肩をガシッとつかんだ。
「ありがとう!!」
「どーやら、うまくいったようだな」
「ああ!」
「じゃあ、押し倒したっスか!?」
また子が顔を輝かせた。
しかし。
「いや、さすがにそこまではしてねーよ」
銀時は否定する。
「だが、かつてないほどいい雰囲気になったんだ!」
「まァ、アレが相手だ。俺も今回でそこまで持っていけるなんざ思っちゃいなかったさ」
高杉はあっさり言った。
「高杉!」
銀時は高杉の肩をいっそう強くつかむ。
「いや、これからは先生と呼ばせてくれ! 先生! また脚本よろしくお願いします!!」
「ああ、機会があったらな」
ふっと高杉は笑った。
銀時と別れ、高杉は鬼兵隊の主要メンバーたちとともに帰路につく。
隣で、また子がうきうきと歩いている。
「いいことすると気分がいいっスねー」
「ああ」
同意する。
が。
高杉はハッと我に返る。
「俺たちがいいことしてどうするんだ!? 俺たちはそういう存在じゃなかったはずだろ!」
思わず怒鳴った。
しかし、他の鬼兵隊の主要メンバーたちはきょとんとしている。
万斉が口を開いた。
「晋助、おもしろけれけばなんでもいいでござるよ。ほら、おもしろきことなき世におもしろく、と言うでござろう」
「それは俺の史実モデルの句だろうが!」
ツッコミを入れながら、頭の痛くなってきた高杉だった。