激ニブ星の恋人?
第二十話 君と一緒に 前編
万事屋の応接間兼居間で三人がくつろいでいると、客がやってきた。
「銀時」
桂である。
「これに出場するぞ」
そう言って、チラシを銀時の顔へと突きつける。
「なんだこりゃ」
銀時はやる気のまったくない表情でボリボリと首筋をかき、それでも、チラシを受け取って、その内容を読む。
カップル限定!
コスプレ大会!!
チラシにはそう大きく書いてある。
「優勝したときの賞金の額がなかなかすごいだろう?」
「まーな」
「それを攘夷活動の軍資金にしたい」
「じゃあ、俺は出ねー」
意気込む桂に向かって、銀時はあっさり断った。
桂はむっとした表情になる。
「カップル限定と書いてあるだろうが。おまえとではなくて、俺はだれと出ればいいんだ」
なかなか嬉しい発言だ。
けれども。
「めんどくせェんだよ。優勝できるかどーかわからねェし、優勝したところで、その賞金はテメーの党の資金になるだけだろ」
「我が党の資金になるのは有意義なことではないか!」
桂は両方の手をぎゅっと拳に握って、訴える。
だが、銀時はそっぽを向き、相手にしない。
しばらくして。
「しょうがないな」
桂は肩を落とす。
「ちょうどいい衣装もあるのだが……」
そう言いながら、なにかを取り出した。
その、ちょうどいい衣装、のようだ。
「桂さん、ソレ、一体どーしたんですか!?」
新八が眼を見張って、問う。
すると。
「ああ、チラシと一緒に、うちの玄関に置いてあったんだ」
桂は平然と答える。
その桂が持っているのは、白無垢、だ。