激ニブ星の恋人?
第四話 亭主関白、ナニソレ、おいしいの?
冬を越え、日が暮れるのが遅くなった。
まだ明るい江戸の町を万事屋三人は歩いていた。
仕事の帰りである。
「俺ァ、絶対ェ、亭主関白だ。それ以外は認めねェ」
話をしているうちにいつのまにか結婚観についてになり、銀時はそう断言した。
しかし、新八と神楽はじとっとした眼差しを銀時に向ける。
「なんだ、その眼は。なんか文句あんのか」
「いえ、どの口がそんなありえないことを言うのかと思って」
「相手に気づいてもらってさえないのに、関白宣言なんて百万年早いアル」
新八と神楽の言葉が銀時の胸にグサグサッと刺さる。
「……百万年後には生きてねーよ」
かろうじて、銀時はぼそっと言い返した。
そのとき。
ドドドドドド……!
なにかが走ってくる足音が、うしろから聞こえてきた。
銀時は振り返る。
「!」
ぎょっとする。
桂だ。
托鉢僧の変装をしている。
なぜかその手は赤ん坊を抱いていた。
それだけではない。
赤ん坊を抱いた桂の背後には、人相のよろしくない浪人風の男たちがいた。
明らかに、桂は彼らに追われている。
その集団が勢いよく走ってきて、もう間近まで迫ってきていた。
「……なんだったんでしょうね」
走り去っていった集団を見送り、新八はぽつりとつぶやく。
「わからないアル」
「あれ? 銀さんは……?」
銀時は桂の横を走っていた。
アレ、なんで俺、コイツと一緒に走ってんの、なんで一緒に逃げてんの?
そう思ったが、今さらである。
追いかけてくる男たちには、桂の仲間だと思われているだろう。
しばらくして、他に人のいない広い場所に出る。
銀時は急ブレーキをかけ、立ち止まった。
隣で、桂も同じように足を止めている。
お互い、なにか合図をしたわけではなかった。
だが、ほぼ同時に、同じ行動をした。
さらに、やはり合図をしたわけではないのに、同時に、追ってくる男のほうに振り返った。
「さーて、反撃のお時間ですよ〜」
ニタと笑い、銀時は腰に差した木刀の柄に手をかける。
そこに、刀を振りあげた男たちが襲いかかってきた。
男たちはひとり残らず地に伏している。
もちろん、銀時と桂が倒したのだ。
それも、あっというまに。
「バ、バケモノか、オマエら……」
倒れているひとりがうめくように言った。
「あー? なんだって?」
銀時はその男の背中に腰をおろす。
男は、うぎゃあ、と悲鳴をあげた。
「……で、一体ェ、何事なんだ。テメーの知ってること、全部、吐け」
「だれが話すか。どんな拷問をされようが口は割らん」
その男の声には強い決意がにじんでいた。
「へー」
銀時はだるそうな表情で首筋をボリボリとかく。
そして。
「じゃあ、素っ裸にして、かまっ娘倶楽部に放りこむことにするか」
さらっと告げた。
近くに立っている桂が同意するようにうなずく。
すると。
「それだけは、ご勘弁ください!!」
男は口を割った。