激ニブ星の恋人?
ふっと頭の中が明るくなった気がした。
銀時は眼を開ける。
どうやら、いつのまにか眠っていたらしい。
立ちあがり、あたりを見渡す。
万事屋の応接間兼居間だ。
時計は深夜の時刻を差している。
テーブルの上には皿やコップがたくさん置かれている。
そのまわりに、人がいて、みんな、寝てしまっているようだ。
ソファにお妙が背中を預けきって座っていて、それに寄り添って九兵衛が座っている。
九兵衛の足下の床には、東条が足を投げ出して座っている。
テーブルを挟んで向かいのソファには、高杉が座っていて、また子がちゃっかりその隣にいる。
万斉はそのソファの裏の床で、三味線を抱えたまま座っている。
変平太は床にうつぶせに倒れている。
新八は押し入れの戸にもたれて座っていて、その投げ出した足を枕にして、神楽が寝ている。
酒に酔っているのと、騒ぎ疲れだ。
銀時の頭に、眠るまえにあった光景がいつくかよみがえってきた。
誕生日祝いの宴は、かなり盛りあがった。
思い出して、銀時の頬がゆるんだ。
楽しかった、と素直に思う。
ありがてェ、とも思う。
こんなに多くの者に祝ってもらって。
銀時は寝室にしている和室に入った。
あんな状態で寝ていたら身体が痛くなるだろうから、どうにかしようと考えた。
神楽はいつもの押し入れで寝かせるとして、二人はソファで寝かせて、何人かは布団などを床に敷いてそこで寝かせよう。
それから、何人かはこの部屋に運ぼう。
そんなことを考えながら、布団のあるほうに行く。
ふと、ひとの気配を感じた。
銀時は振り返る。
そこには、桂がいた。
桂が近づいてくる。
「手伝おう」
「ああ」
すぐそばまで来た。