激ニブ星の恋人?
「俺の過去の恋愛の話……?」
桂は首をかしげる。
その一方で、神楽は眼を輝かせている。
「ヅラの初恋は、銀ちゃんアルか?」
「それは違う」
「じゃあ、だれアル? いつのことアル?」
わくわくと神楽が聞いてきた。
新八はそんなことを聞いてもいいのかオロオロしつつ、しかし、やっぱり聞きたい興味がある、といった様子でいる。
「俺が十代半ばを過ぎた頃で、相手は年上だった」
「どんなひとアルか?」
「そうだな……」
どう表現したらいいのか、桂は考える。
そして、視線が新八の顔の上で止まった。
「ああ、そうだ。新八君の姉上、お妙殿に似た感じだ」
「「ええっ!?」」
新八と神楽が眼を見張り、声をあげた。
かなり驚いているらしい。
「姉上に似た感じって、ど、どーゆー感じなんでしょうか……?」
「美人で、強い感じだ」
「強いって、気が強いってことでしょうか?」
「気だけではなく、腕っ節もだ」
「もしかして、暴力をふるわれたことが……?」
「ああ、ある」
「もしかして、桂さんってマゾなんですか……?」
「それは違う、と思う」
「と思う、って付け足したのがあやしいアル!」
神楽はソファからぴょんと勢いよく立ちあがった。
「詳しく話すアル!」
だが。
その直後。
玄関のほうから、ガラガラッと戸の開けられる音がした。
「おーい、帰ってきたぞー」
銀時の声も聞こえてきた。