激ニブ星の恋人?
銀時は眼をそらした。
一方、桂は居間に入ってくる。
「どうしたんだ、いったい」
「……だから、なんでそんなカッコしてんだよ」
「ああ、それは、かまっ娘倶楽部の従業員たちに懇願されたんだ」
「なんで、アイツらがオメーに」
不思議に思い、銀時は桂のほうを見る。
桂は近くまで来ていた。
そして、銀時のそばに腰をおろした。
「クリスマスに店でクリスマスらしいことをすることになって、ひとりだけ、この格好をすることになったらしい」
「だが、オメーはもうあそこで働いてねーじゃねェかよ。関係ねェだろ」
「たしかにそうなんだが、あそこの従業員たちに取り囲まれて、そのうえ、迫ってこられたんだ。ママがこの格好をしたがってるって」
「ママって……」
「もちろん西郷殿のことだ」
銀時の頭に、今の桂と同じ格好をしたマドマーゼル西郷の姿が浮かんだ。
次の瞬間、すごく酸っぱいものでも食べたような顔になる。
「……強烈すぎるぜ」
「俺だって似合わないだろうからって、断ったのだが」
いや。
すごく似合ってます。
だから問題なんです。
そう思ったが、銀時は口に出さずにいる。
「みんな、必死で俺に頼んできてな」
「そりゃーそーだろーよ」
気持ちはよくわかる。
しかし。
だからと言って。
銀時は正座している桂を上から下まで眺めおろす。
あの西郷がこの格好をする。
それは、阻止したい気がする。
だが、この格好の桂を、他の者の、他の男の眼にさらす。
ハッキリ言って、嫌だ。
俺の恋人なんですけど!!
そう断固として主張したくなる。