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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11

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  「ユキ、俺ってどう見えるんだろう?」

島はそのまま英雄の丘に来ていた。進とユキのレリーフの間に座ると

  「人を愛する、ってどういう事なのか…まだわかんねぇや…それって、古代に
   負けてるって事だよなぁ?」

島はそう言って進のレリーフを叩く

  「そんな石の中に入ってないで横に来てなんか話してくれよ…ユキとの
   のろけ話でもいいからさ…。」



どれぐらい時間が経っただろう…英雄の丘にも電燈が灯りレリーフも間接照明が当てられる時間になっていた。

  「…さすがに冷えるな…あ、もう7時過ぎてる…か。」

島が誰に話すわけでもなく独り事を言っていると複数の人間が走ってくる足音が聞こえた。

  (クルーか?)

最初そう思ったが靴の音を聞くと男性っぽくない。そのうち話声が聞こえてきた

  「ひとりで大丈夫ですから!」

サーシアの声だった。小走りのようで少し息が上がっている感じだった。

  「あぶないよ?女の子の一人歩きは…ここ、余り人通りないし」
  「そうだよ、だから一緒に行ってあげる、って…なぁ、俺たち親切だろう?」

男が二人付いてきている。遠目からもサーシアの金髪が見える

  「離して!痛いじゃない!」

男に追いつかれたのだろうか3人のシルエットが重なった。





  「彼女を解放してくれないかな。」

島が静かに一人の男の腕を取った。腕を取られた男もそうでない男も全く気配を感じさせず近寄ってきた島に驚いたが

  「うるせぇな、邪魔すんなよ」

腕を取られていない男が島に向かって怒鳴った

  「彼女は俺に用事があってここに来たんだ…な、サーシア。」

サーシアも突然島が現れたことに驚いた様子で頷けずにいると

  「さぁその娘(コ)を離してくれ。」

サーシアの腕をつかんだ男は我に返ると

  「うるせぇ、お前に関係ないだろう!」

と怒鳴ると同時に島に腕を取られていた男が島を殴ろうとした

  「島さん!」

サーシアが叫ぶと同時に殴ろうとした男の拳は島にしっかり掴まれて反対に動くことができなくなっていた

  「さぁ…サーシアを離すんだ。」

サーシアはいつもと違う島に戸惑っていたが男が島の低いトーンの声に一瞬力が緩んだすきを見て取られていた腕を振り払い島の後ろに隠れるようにしがみ付いた。

  「こいつ…!」

サーシアの腕をつかんでいた男が島に襲いかかろうとしたが島はそれを足で蹴り飛ばした。ついでに島が押さえつけていた男も思い切り突き飛ばした。

男二人は尋常でないオーラに気付くと尻もちついたズボンをはたきながら走って英雄の丘から逃げて行った




  「サーシア…大丈夫か?けがはないか?」

島が後ろにいるサーシアに声をかけた。

  「こんな遅くに来るからだよ…この時期は日が暮れるのも早い…送って行く
   から一緒に帰ろう。」

島がそっとサーシアの肩を抱くと安心したのかサーシアの大きな瞳から涙がポロポロ落ちてきた

  「怖かったか?」

島の問いにサーシアが頷く

  「いつから追いかけてきたんだ?」(島)
  「気配はリニアを下りてからあったんだけど…考え事しながら歩いていた
   から…ついてきてるのに気付いたのはこの丘の入り口あたりで…」

サーシアが涙を拭きながら答えた

  「急に…ここへ来たくなったの。ユキさんとテレサさんに会いたくなったの」
  「そうか…でもそういう時は誰かと一緒に来るようにしないと…俺が地球に
   いる時は時間を作るから…絶対夜は一人で来ちゃだめだ。俺がいない時は
   太田でも南部でも…幕の内さんだっている。比較的トウキョウシティは
   治安がいいかもしれないが一本路地に入ったりしたらわからないからな…
   ここも夜になると人通りがなくなるし…」(島)
  「ごめんなさい…」

サーシアが消えそうな声で謝ると

  「いいんだよ、でもよかった…無事で。ほら、好きなだけ二人と話しておいで」

島がそっとサーシアを解放するとサーシアは真っ赤な目で笑ってテレサの所へ向かった。島はその後姿を見ると加藤のレリーフの所でサーシアに聞こえないようにユキの母親に一緒いいることを携帯で告げた









作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11 作家名:kei