続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11
(これはテレサさんの導きなの?)
サーシアはテレサの像に向き合いそっと手を握り眼を閉じた。
{私はテレサ、テレザートのテレサ…}
サーシアの心に直接テレサの声が響いてきた
(テレサさん?)
{えぇ…いつも気に留めてくれてありがとう…あなたのお母様にの事は存じて
おります。スターシアさんは私の意識を感じてくれました。地球の危機を
知らせたくて…でも余りにも遠くてはっきりお伝えできず…反対に混乱して
しまったかもしれません。あなたはそのスターシアさんの意思を継ぐ大事な
お方…こうしてお逢いできてよかったわ。}
テレサの言葉がサーシアの心に響く
{私は今皆様に囲まれて幸せです。やっと居場所を見つけることができました。
これもすべてヤマトのクルーの皆様のおかげです。私はずっと一人でした。
スターシアさんが妹さんを送り出してから一人だったように私も自分の星を
失って…ズォーダーに幽閉されてからずっと一人でした。とてつもなく
悲しくて…寂しくて何度も死んだほうがましだと思いました。だけどこう
して生きている、ということはなにか自分がしなくてはいけない使命が
あるはずだ、と思うようになり私に唯一できる事…私の意識をテレパシーと
して宇宙に飛ばす事でした。それに答えてくれたのがヤマトの皆さんだった
んです…。たくさんの方が私と一緒にいてくれています。争いもなく…本当
の幸せとはこの事かもしれないと思うほどです。私はヤマトのクルーの方の
力になりたいと常に思っています…}
テレサはそう告げるとサーシアの意識から消えて行った
(待って…テレサさん!)
サーシアはそっと眼を開けると目の前には冷たいテレサの石像があるだけだった
(私がここに導かれた理由を聞きたかった…島さんがここにいた理由も…)
サーシアはテレサの手を放すとそっと心の中でありがとう、と告げてユキのところへ行った
(ユキさん、私…)
島と二人っきりの時どうしたいいのかさっぱりわからない。同級生と一緒にいる時と全く違う自分に相変わらず戸惑っていた。
<素直にそのままのサーシアちゃんでいればいいのよ。きっと島くんが答えを
出してくれるわ。>
ユキはそれだけを言うとどこかへ行ってしまった。
「サーシア、そろそろ…寒いから暖かいものを食べて帰ろう。お母さんには
連絡しておいたから…」
島がユキのレリーフの前で立ち尽くしてるサーシアに声をかけてそっと肩を抱きながら駐車場へ向かった。
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11 作家名:kei