続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11
サーシアはすぐに学校に通い始めた。すでに夏休みは終わっていて周りは進路の事でピリピリし始めていた。サーシアはすでに進路を訓練学校としていたのでその試験をどうクリアーするかが課題だった。普通に入学したのでは今までの知識がもったいない。何があっても特待生として入らないくては面白くない。
乗組員にも“サーシアは訓練生になる”と断言してる手前絶対落ちるわけにいかない。
数少ない特待の枠を狙ってこれからが大変なのだ。
「ふぅ…」
サーシアは久しぶりに英雄の丘に来ていた。自宅と同じ眼下に海が広がっているがまた違う印象の海が広がっていた。
「テレサさん…私、大丈夫かなぁ…」
テレサの祈りの手に自分の手を合わせる。
「お願い…私に力を貸して…」
サーシアが祈りを込めてテレサの手を握るとものすごいエネルギーを感じた
(あぁ…やはりあなたはここにいて見守ってくれているのね…)
サーシアはそのエネルギーを受け取った気がした
「サーシアじゃないか?」
サーシアがテレサから離れてユキの所にたたずんでいると島がやってきた
「島さん、お久しぶりです。」(サーシア)
「やぁ偶然だね。よく来るの?」(島)
「いえ、定期試験が今日終わったので少しブラブラしに来ました。
やっぱりここ、落ち着くんです。私、多分テレサさんと波長が合うんだと
思うんですよね。ここに来るとユキさんとは違うエネルギーをもらえる
そんな気がするんですよ。」
サーシアが日が暮れて町の明かりが反射する海を見ながら話した。
「そうか。」(島)
「そう言う島さんは?」(サーシア)
「あぁ、さっき火星から戻ってきてね…こいつに挨拶、と思ってさ。今回は
俺だけだったからひとりってわけ。誰かしら一緒の航海だとここで古代達に
挨拶してから帰るんだ。航海を見守ってくれてありがとう、ってな。」
島はそう言って火星から持ち帰った火星の土を少し古代のレリーフの土の部分に撒いた
「みなさんは元気?しばらくお会いしていないわ。」(サーシア)
「あぁ、元気だよ。誰かしらメールとか入ってるし…相原とは連絡取る
機会、多いしな。」
島はサーシアを見つめた
「そう…私も早くみんなの仲間に入りたいわ。」(サーシア)
「そうだね、でももうすぐだよ。サーシアの事だからきっと誰よりも早く
訓練学校卒業しそうだ。待ってるよ…一緒に乗り込むの、今から楽しみに
してるから。」
島はそう言って時計を見た
「サーシア、時間大丈夫か?もう7時過ぎてるぞ?」
島が心配して言うと
「大丈夫、ちゃんとここにくる、って言ってあるから。」
サーシアがそう言うと
「そうか、じゃぁついでだ。一緒にご飯食べようか。どれ、森さんには
俺から連絡しよう。」
島はそう言うと携帯を取り出してユキの母に連絡を入れた
「すみません、島です。」
〈あら、お久しぶりね。お元気そうで。〉
「えぇお陰さまで、奥さまは?」
〈えぇ、主人も変わらず元気よ。…それより何か?〉
ユキの母がどうしたの?と言う顔をして聞くと
「すみません、サーシアと英雄の丘でばったり合って…私ちゃんと送り届け
ますので一緒に食事してもかまいませんか?」
〈あら、待ち合わせじゃないの?〉
ユキの母が笑いながら言うと
「ははは、残念ながら計画的犯行ではありません。実は私、今日火星から
戻ってきて古代に挨拶に来たんですよ、そしたらサーシアがいて…」
〈ふふふ、そうですか。わかりました。いいですよ。ごゆっくり!〉
ユキの母が含みを持たせてそう言うと
「お母さん!もう!」
島の後ろへ回って画面に映るようにして言うと
〈まぁ遅くならないうちに帰ってらっしゃい。島くん頼むわね〉
そう言って携帯は切れた
「お母さんったら…」
何も映ってにない画面にサーシアはごねた
「さぁ時間も時間だ、何を食べようか?お姫様なんでもよろしいですよ。」
島はエスコートするように左手の脇を開けて腕を通しやすいようにするとサーシアは恥ずかしいながらも右手を通して
「もう…島さんまで…」
二人は英雄の丘を後にした
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11 作家名:kei