続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11
サーシアは島と腕を組んでいる状態で歩きながら考えていた
(島さんは大人で…ユキさんと叔母が好きで…だから似てる私の相手をして
くれてるのかしら…それとも私の両親から頼まれてるから面倒見てくれて
いるのかしら…わかんない…)
ふとさみしさを感じたサーシアはそっと島の左腕から右手を抜いた
「どうした?」
島はサーシアの顔を覗き込むとサーシアは視線をそらして
「だって、誰に会うかわからないでしょう?」
島に本心を悟られないように“恥ずかしいから”と言い訳のように言った。
「学校は三浦だろ?大丈夫だよ」(島)
「先生はどこから通ってるかわからないもん。」
サーシアは少し早歩きで島の前を歩く
「第一私と島さんじゃ親子みたいじゃない!」
「え?親子?…おい!」
サーシアは複雑な想いを悟らせないようわざとはしゃいでモールへ向かって走って行った。
「サーシアが食べたいものって…」
サーシアが選んだお店はピザがメインのお店だった。
「いつもお母さんが作ってくれるお料理、とてもおいしいの。でもねピザは
さすがに作れないみたいで自宅で火を通すだけの、なの。だからね今日は
自宅で食べられないものを選びました!」
二人しかいないのに所狭しとピザが並ぶ…
「おいしぃ!」
細い体のどこに入っていくのか…サーシアはおいしそうにピザを食べるのだった
「お腹…いっぱい。」
ピザの後はパスタを食べてお店を変えて甘いものを食べていた。
「島さんは食べないの?」
コーヒーしか注文しなかった島にサーシアが聞いた
「ん?甘いものは嫌いじゃないけど…もう入らないよ。お腹いっぱいで…
サーシアはよく入るな。」
感心したように島がいうと
「えと、友達がね甘いものは“ベツバラ”よ、って。その時みんなが頷いて
いたから意味を聞き返せなくて…でもその時お腹いっぱいでも食べられ
ちゃうからいいか、って思っちゃって…」
島がクスクス笑っていると
「その事だよ。お腹いっぱいなのにもうひとつお腹ができてはいっちゃう
事、なの。でも実際胃袋は一つしかないからオーバーフローで太っちゃう
ってわけ。中学生ぐらいだといくら食べても運動量が多い子は太らない
だろうな。」(島)
「え?じゃぁ太っちゃうかも、って事?」(サーシア)
「運動すればいいんだ。大丈夫!」(島)
「すっごい気楽な大丈夫、よね?太ったら責任とってね!」(サーシア)
「はいはい、いつでも面倒見ますよ」
島はコーヒーをおいしそうに飲んだ
「ただいま!」
サーシアが島の車に乗って帰ってきた。
「島です。こんばんは」
島も玄関まで入ってきた
「お帰りなさい、サーシア、おいしいもの食べてきたの?」(母)
「うん、たくさん食べすぎて太っちゃうかも…」
サーシアがお腹をさするようにして答えると
「制服が入らない、なんてことがないようにしてね。」
島が二人の会話を楽しそうに聞いていると
「島さん、帰ってきたばかりで送っていただいてすみませんでした。ちょっと
上がってお茶でも…」
ユキの母はそういって上がることを進めたが
「いえ、今日は遅いのでサーシアの明日の学校に響くと悪いので…ここで
失礼します。じゃぁサーシア、帰るね。」
玄関を上がったサーシアに島があいさつすると
「島さん、帰っちゃうの?」(サーシア)
「だってサーシア明日学校だろ?寝不足は勉強の敵だぞ?」
島がそう言って帰ろうとしたら
「待って、島さん、ごちそうになるわけにいかないわ…サーシアの食事代…」
ユキの母がマネーカードと転送機を取り出したが
「いいですよ、俺らお金使うところないので…今日は有効活用できました。
次回早く来たときはお邪魔しますので…じゃぁな、サーシア」
島は母親にお辞儀をすると玄関を出て行った
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11 作家名:kei