続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11
「ふぅ…」
サーシアはお風呂につかりながら島の事を考えていた。
(親子…かな、やっぱり)
確かに見た目は中学生だが実年齢は2歳半ほど…自分で言ってしまったこととはいえちょっと後味が悪かった。クラスの中では一番大人っぽいと言われて男友達から呼び出しがかかることもしょっちゅうだけど告白されても全く興味持てないのだった
「お父さん、お帰りなさい」
サーシアがお風呂から上がってリビングに行くと父が仕事から帰って来ていた。
「サーシア、今日は島君と一緒だったんだって?おいしいものごちそうに
なったそうじゃないか。よかったな。」
「うん、おいしかったけど…」
サーシアの元気のなさに父は聞き返すように
「けど?」
と繰り返したが
「ううん、なんでもないわ。今日までのテスト、ちょっと振り返りするから
部屋に戻るわ。」
さみしそうな表情は変わらずだったので
「サーシア、勉強は集中してやるものだ。ぼーっとしてちゃ頭に入らん。」(父)
「え?」(サーシア)
「自分に自信を持つことは難しいことだ。でもとても大切なことだ。」(父)
「お父さん…」(サーシア)
「今日は寝なさい。ずっと遅くまで勉強していただろう?しっかり休むことも
大事だぞ。」
サーシアは父の言葉を聞いて肩の荷が下りたのか
「はい…歯を磨いて寝るわ…おやすみなさい」
そういって洗面所へ向かっていった
「あなた…」
「サーシアはあっという間に年頃になってしまったな。残念だ。」
父は母が運んできた料理をつまんだ
「寂しいもんだな…気付いたらもう大人なんて…そんなに急がなくても
いいだろう、と思うんだがな…。」
父親は“うまい”と言った
「やれやれ…まさかあそこでばったり会うとはなぁ…」
島は英雄の丘で会ったサーシアの事を思い出していた。
(サーシアに俺の心は読まれていないだろうか…)
島は気が気でなかった
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 11 作家名:kei