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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 12

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  「ありがとう」

サーシアがエアカーに乗ると小さな声でそう言った。

  「ん?何のこと?」

島は運転しながら聞くと

  「さっき…食堂で…」

サーシアが小さな声で言うと

  「あぁ、さっきのね。まったく訓練がなっていないというか…もう一度
   訓練学校でやり直せ!って感じだな…まったく…
   普通なら放っておこうと思うんだけどサーシアは人の気持ちや視線に敏感
   な所があるだろう?だからちゃんと…と思って…だけどこれから先クルー
   と一緒にいると同じような事があると思う。その時は堂々とするんだ。
   “いいでしょう?”ぐらいでいいよ。」

島が笑って答える

  「さて…お嬢様、夕方までたっぷりお時間ありますが…どちらへ?」

島のエアカーは延々と続く海沿いを南下して行った。






















  「かわいい…」

二人は伊豆に来ていた。伊豆には普通より早く咲く河津桜がある。イスカンダルから持ち帰った技術で日本の桜は小さいながらも復活しつつあった。島は科学局の分局で河津桜を専門に増やしている施設に新米が出入りしてることを思い出しちょっとお邪魔させてもらうことにしたのだ。

  「普通の桜より色が濃いんだ。遊星爆弾が落ちる前はこの辺り一帯がこの
   河津桜でいっぱいだったそうだ。イスカンダルから持ち帰った技術で
   いつかここも昔のようになるだろう、って言われてる。」(島)
  「イスカンダルってすごいのね…住んでた時はわからなかったけど学校の
   授業でもいろいろでてきたわ。…思わず声に出して私の母の星よ、って
   言いそうになっちゃうの。」

桜を見ながらサーシアが嬉しそうに話す。

  「いつか…堂々と“イスカンダル出身です”って言える日がくるといいな。
   あ、でもやっぱり…」(島)  
  「島さん?」(サーシア)
  「心配が増えるから…秘密のままがいいか。」

二人で施設内を散策してると遠くから

  「島さぁん」

と呼ぶ声が聞こえた

  「新米!元気か?」
  「お久しぶりです。」

二人そろって挨拶すると

  「島さん、“アラコメ”ですからね、全く…サーシアちゃん、ようこそ!
   どう?桜…きれいでしょう?これね、半年ぐらい宇宙ステーションで
   寝かせてたクローン。もうここまで育てば一安心なんだよ。後
2年くらい
   したら公園に植えることができるって。そうしたらわざわざ許可とらな
   くてもどこでも桜を見る事が出来るようになる…これってすごいことなの。
   サーシアちゃんの星ってすごいよね。」

新米が興奮気味で話す

  「私も嬉しいわ。こんなかわいいお花が公園いっぱいに咲いたら感動して
   泣いちゃうかもしれないわ。」
  「ははは、そうだね、それぐらい感動してもらえるようにいっぱい咲かせるよ
   公園開きの時は招待させてね。」(新米)
  「おい、その時俺も呼んでもらえるよな?」(島)
  「考えておきますよ。サーシアちゃんがOKしたら…にしましょうか。」

新米がサーシアの顔を見て答えた。

  「なんだよ、全く…しかしいい仕事だな。真田さんと古代がうらやましそうに
   眺めてるだろうな。古代は土いじりが大好きだったからな。」
(島)
  「そうですね、私もそう思います。真田さんはこのプロジェクトに顧問という
   形で参加していて…かなり期待してくれていたんですよ。だからこそ絶対に
   成功させたいんです。」

島は新米も前を向いてしっかり歩いていると思った。

  「新米…安心したよ。お前、真田さんにずっと付いてただろう?立ち直るのに
   時間がかかるんじゃないかと心配したんだ。きっと真田さんはどこかで
   見てるはずさ。頑張れよ!」

島はそういってしっかり新米の両肩をつかんだ。新米は無言でうなずいた。






















作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 12 作家名:kei