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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 12

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  「サーシア、これ…」

島はエアカーに戻るとサーシアにチップを一枚渡した。

  「これ?」

サーシアが尋ねると

  「これさ、おじさんから借りてたやつがこないだ出てきてさ…これから勉強
   するのにこれがあるとわかりやすいから使うといい。まぁ今更、って事が
   載ってると思うけど振り返りにはすごいいいものだと思うから使ってよ。」

サーシアはじっとチップを見つめていた。

  「それさ作者が“S”って書かれてて…ちょっと調べたんだ。いったい誰な
   んだろう、って…。そしたらそれまだ訓練生だった真田さんが書いたもので
   さ。訓練生で本を出すなんて普通じゃありえないから多分“S”で
   出したんだろうなって思ったんだ。聞いてると思うけど君のお父さんと
   真田さんはとても親しい友人でね…ちょっと変わった人だったけどとても
   いい人だった…少し話がそれたね、ごめん…まぁ使ってよ。絶対ために
   なるはずだから。」(島)
  「えぇ…ありがとう。後でじっくり見るわ。」

エアカーは海岸線を北上している。すでに夕日は沈んでいて辺りは暗かった。

  「あっという間の一年だったわ。」(サーシア)
  「そうだね。」(島)
  「時々イスカンダルの事を忘れそうになるぐらい楽しい一年だったわ。」

サーシアの言葉に島が嬉しそうに頷く

  「地球に来てよかった…これからもっと大変なことがあると思うけど島さんが
   そばにいてくれるからきっと大丈夫、って思える…。」

島は黙って聞いていた。

  「私、ユキさんのように強くなりたい…自分の道を見つけて前だけを見て
   しっかり歩ける人になりたい。私が道を反れそうになったらちゃんと
   導いてね…そっちじゃないよ、って。」

島は運転しながらしっかりサーシアの視線を感じていた。まっすぐに自分だけに向けられている視線…

島は左手をステアリングからはずしそっとサーシアの右手を握った。

  「大丈夫だよ、ずっとそばにいるから…俺が飛んでても心はそばにあるから…
   俺もやっと地球で帰る場所を見つけた…」
  「島さん…」
  (古代、俺はもう振り返らない…前を見て一緒に歩いてくれる人がいてくれる
   から…ユキ…見てるか?俺はもう大丈夫だよ。)

島は繋がれた左手に力を込めた














   



作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 12 作家名:kei