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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 1

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<墓標>
  「随分…ひどいな。」

翌日、島はひとり墓標の並ぶ丘へ来ていた。YUKIからも見えていたがきれいに並んでいた墓標があちこち向いて地割れを中心に崩れていた。

  「サーシァさん…お久しぶりです。」

島は一番新しい墓標に地球の白いバラを供えて手を合わせた

  「あなたの姪とお付き合いしています。まさかこうなると思いませんでし
   たが…全ての始まりはあなたです。感謝しています。」

黙とうを捧げた島はぼんやり墓標の列を眺めていた。

  (サーシァがこの姿を見たら悲しむだろうな…イスカンダルはいつまで
   人が住める環境でいられるだろうか…)

自然の力に抵抗することはできないと思う島だった。






  「あなたは誰?」

かわいらしい声が島の後ろから聞こえた

  「そのお墓、お母様が一番大切になさっている所よ。…あ…」

島が振り返るとミニチュア古代…ミオが少し怒り気味に立っていたが墓標にバラが供えてあるのを見て口に手をやった

  「ミオちゃん…だよね?こんにちは。島、って言います。」

島があいさつしたがミオはちょっと引いて小さな声で

  「…こんにちは」

と返事した。

  「このお墓…スターシアさんの妹のサーシァさんのお墓だよね。サーシァさん
   がいてくれたから…俺たちはここに存在するんだ。地球の人にとって
   サーシァさんは恩人なんだ。君のお母さんと同じでね。だからここへ
   くるとお話に来る…ってわけ。」

島はそっとその墓標に触れた…瞬間電気のようなものが流れた

  <なんだ?>

それは本当に一瞬で…島はミオの手を取って

  「戻ろう…」

と言って走ろうとしたがミオはまだ小さいのでそのまま背中に背負うと“走るぞ”と言って無言で走った。島がマザータウンに着くと地鳴りがした。後ろを向くと墓標のあった方角から砂煙が見えた。

  「大きな地震よ…またお墓が崩れたわ。」

島の背中に乗ったミオがつぶやいた。

  「間もなく…あそこもなくなるわ。お母様の大切な場所なのに…」

島はそっとミオを下した。

  「ありがとう。」

ミオは島にお礼を言った







  「島、どこへ行ってたんだ?」(南部)

窓の外の崩壊するところを目の当たりにしてエレベーターで上がってきた島に南部が聞いた。

  「いや…ちょっと…」

島が言葉を濁しながら墓標の並んでいた丘を上からみて驚いた。まるで何かが衝突したような…おおきなくぼみができていた。

  「地震の影響…それもあんなに大きく…」

クルーはラウンジで呆然とその変わりようを見ていた。








  「お母様…」

ミオがスターシアの顔を覗きこむ

  「…ミオ…無事でしたか。よかった…黙って外へ行ってはダメよ。危険だから…
   最近落ち着いていたけれど…どこへ行っていたの?」
  「お墓に…誰かがいたから…行ったの。そしたら…叔母様が…」

ミオの言葉に

  「サーシァが?」
  「島さん、って人に危険を知らせたわ。私、見えたの。碧い光が。」

ミオには島とサーシァの墓標の間に通じるものが見えていた。

  「…そう…ミオには見えたのね。」

スターシアの言葉にミオは頷いた。




イスカンダルの王家の者には不思議な力が備わっているのをスターシアは知っていた。妹のサーシァも娘のサーシァにもそれぞれの力があった。

  「恐れる事はないわ。王家のしるしだと思いなさい。…ミオ、黙って表に
   出てはいけないわ。今日で分かったともうけれどとても危険なの。もし…
   あなたにもしもの事があったら…自由に表に出られなくてつまらないかも
   しれないけど…。」

スターシアが諭すように言うとミオは頷いた。








  「スターシアさん、ちょっといいですか?」

島がスターシアの部屋を訪ねた。

  「えぇ、どうぞ…」(スターシア)
  「あの…守さんは?」(島)
  「今、呼びますね。」(スターシア)

しばらくすると守が部屋に入ってきた。

  「ミオは?」(スターシア)
  「寝てるよ。気持ちよくね。」(守)

島は二人の顔を見た。

  「あの…お二人にお話があります。サーシァの事ですが…実は、サーシァと
   お付き合いさせてもらっています。」

島の突然の告白に守とスターシアは驚いた