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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 1

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YUKIがイスカンダルに着いて3日が経った。最初の予定ではイスカンダルの滞在日数は5日間。その間にヤマトはイスカンダルの技術を学びスターシアにお願いしてダイヤモンド鉱石をたくさん積みこんだ。

  「真田はいろんなことを考えていたんだな。」

イスカンダルの工作機でダイヤモンド大陸を小さく切り分けYUKIに積む作業が急ピッチで進んでいた。

  「これでコーキングして反射衛星版のようにエネルギー弾を吸収する武器を
   作るつもりだったんですね。真田さんの頭の中は宇宙みたいですね…。
   守さんもご協力ありがとうございます。有効活用させていただきます。
   ヤマトで試作した時は一度限りの武器でしたが…真田さんのアイディア
   だと相手のエネルギー弾のエネルギーを吸収して蓄える事ができて尚かつ
   複数回使用できるかもしれません。」

相原は嬉しそうに言った。

  「私も防御的利用なら全てお持ち帰りしていただいてもいいと思います。
   物質的に無理なのが残念ですが…」(スターシア)

守とスターシアの横でミオがじっとその様子を伺っていた。













  <ミオ…>

ミオは呼ばれた気がして辺りを見渡した

  <ミオ…私はサーシァ…あなたのお母様の妹…>
  「サーシァ叔母様?」
  <そうよ……いつも会いに来てくれてありがとう…………ミオは地球へ
   行くのイヤなのね。顔に書いてあるわ。>
  「………」
  <私には本当の事を言って…>

サーシァがそう言うとミオの眼から涙がポロポロ落ちた

  「私、邪魔なの?」

サーシァが首を横に振る

  「イスカンダルにいちゃダメなの?」

サーシァが首を縦に振る

  「どうして?」
  <あなたが…半分地球人だから…イスカンダルと地球と…きちんと見て…。
   いずれイスカンダルは誰も住めないところになるわ。ガミラスを見て?
   もう誰も住んでいないわ。あなたのお父様とお母様がお亡くなりになっ
   たら…あなたは一人になってしまう。>

サーシァは寂しそうに言った。

  <一人はとても寂しいわ。あなたのお母様がそれを一番感じてる…>

スターシアはサーシァを地球に送り出した後守が漂流してやってくるまでずっと一人だった…

  <何も心配する事はないわ。勇気を出して…>

サーシァがミオの前から淡いピンクの光と共に消えて行った









  「夢?」

ミオは昼寝から覚めた。今ここで話していたかのような錯覚を覚えるほどリアルな夢を見た…と思った。








  「あれ?ミオちゃんじゃない?おはよう。」

ミオは勇気を振り絞ってYUKIのクルーのいるラウンジへやってきた。いつもたくさん人がいるのに今日は南部しかいなかった。

  「朝ご飯食べた?まだなら一緒に食べよう。」

南部はミオの前に小さくかがむとそう言ってバイキングのように食事が用意されている部屋に入った。

  「イスカンダルの食事はおいしくていいね。」

南部はお皿に食事を乗せて最後フルーツジュースらしきものをグラスにとりふたりで向かい合って座った。

  「いただきます。」

南部が手を合わせてそう言うとミオも真似をして手を合わせた。



  「なぜ誰もいないの?」(ミオ)
  「明日の出航に合わせてみんな点検に行ってるんだ。」(南部)
  「それってロボットじゃできないの?」(ミオ)

南部はアナライザーの事を言ってるんだと思った

  「出来なくないけどやはり自分の眼で確認しないと確信もてないんだよね。」

南部がにっこり笑って言うと

  「ここにいて平気なの?」

とミオは不思議がって聞いた。

  「俺らのところは昨日終わったんだ。最終点検は出航前の確認で済むよう
   になってるんだ。」

南部はそう言うとミオの顔を覗きこんで

  「ミオちゃん、地球に行きたくないでしょう?」

食事がほぼ終わって南部はジュースを半分ほど飲んでそう言った。ミオは驚いて南部を見た。 

  「誰だって両親と一緒にいたいさ。」

そう言ってジュースを飲みほした。

  「キミのお姉さんは自分の意志で乗り込んだ。だけどキミは違う。守さん
   とスターシアさんの意志だ。」(南部)
  「………」(ミオ)
  
南部はサーシァより小さいがサーシァより中身の成長はミオの方が進んでいると思った

  「多分、キミは“乗らないといけない”と判っているんだ。だけど後一歩が
   踏み出せないだけなんだ。サーシァも迷っていた…迷って、迷って…
   最後自分で決断した。ここにいれば何不自由なく暮らせるけど…。」

ミオはじっと南部の顔を見ていた