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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 2

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  「ただいま~」

森宅へ戻る時よりゆっくりした口調でサーシァは玄関で叫んだ

  「お帰り。待っていたのよ…みなさま上がって…」

藤堂の妻は三人をリビングに通した。そこにちょこんと小さな女の子がソファーに座っていた。

  「ミオ?ミオなのね?大きくなって…サーシァよ!」

サーシァはミオを抱きしめた。

  「お姉様…会いたかった…」

ミオもサーシァの背中に手をまわすと小さな声で言った。小さかったがサーシアにはちゃんと聞こえた。ミオの眼から涙が落ちる。

  「不安だったでしょう?でも何も心配いらないわ。大丈夫よ。」

サーシァがなだめるように背中をさすった

  「ミオ、お父様とお母様はお元気?イスカンダルはどうなったかしら?」

サーシァが機関銃のように聞くとミオは目をパチクリさせた。

  「サーシァ、ミオが何から返事したらいいかわからない、って顔してるよ。
   一つずつ…」

島が仲介役に出ると

  「あ、そうよね…ごめんなさい、嬉しくって…妹が生まれたって聞いた時
   すごい嬉しかったけどこうして地球で…これからずっと一緒だと思うと
   本当にうれしい…」

藤堂夫妻も森夫妻も自分によくしてくれる…だけど両親から離れて暮らしてる事には変わらず…やはり肉親がそばにない寂しさはなかなか埋められなかった

  「お父様とお母様はお元気?」(サーシァ)
  「うん、元気。いつも一緒にいたわ。」(ミオ)
  「イスカンダルは?随分変わっちゃったんじゃない?」(サーシァ)
  「そう…わかる?」(ミオ)
  「…離れててもなんとなく…ね。やっぱり?」

サーシァは暗い顔をした

  「ダイヤモンド大陸はほとんど沈んでしまったわ。墓標の丘も…あぶなくて
   ひとりで行っちゃダメって言われてた…。今のところが危なくなった時用
   にあちこちに家を建てたの。」(ミオ)
  「そう…やっぱり…」(サーシァ)

サーシァは変わりゆく故郷に思いをはせる

  「判っていた事だけど…辛いわね。だからこそミオも地球でがんばらないと
   いけないわ。イスカンダルの血を引くのは私達だけ…最初は一人だと
   思ってたけど今は違うわ。YUKIのクルーの方もいるし…今は学校の友達も
   いるからとても楽しいわ。」

サーシァがミオの手を握る

  「すぐ近くに私がいるから大丈夫よ。」

ミオはにっこり笑って頷いた。



それから姉妹のおしゃべりは止まらず島と南部はミオの別の一面を見た気がした。


  「ミオの人見知りを直すのは難しそうですね。」(南部)

サーシァがミオを庭に連れ出したのを見て南部がつぶやいた。

  「まぁこれから、だよな。いろいろ観察してるんだろう。」(島)
  「そうだな…」(南部)






  「ミオ、いい香りでしょう?これね、バラって言うのよ。」

サーシァはミオと一緒にバラを見に庭に出た。

  「うん、イスカンダルにはないお花だわ。きれいね。」(ミオ)
  「トゲがあるの。気をつけて…こっちのバラはいい香りだけど向こうの
   バラは香りがないのよ。不思議でしょう?…そう、このバラね、おじいちゃんの
   お気に入りなの。とってもいい香りなの…隣のバラとよく似てるんだけど
   ちょっと違うのよ。」

サーシァは一番手前にある去年植えられたバラを見せた。

  「このバラはおじいちゃんがヤマトに捧げたバラなの。」(サーシァ)
  「…ヤマト?」(ミオ)
  「そう…イスカンダルと地球を結ぶ大事な艦…YUKIの乗組員はヤマトのクルー
   だった人たち…そのヤマトにお父様の弟が乗り込んでいて…残念ながら
   先の大戦で戦死したそうよ。その時婚約者も乗り込んでいたけど…」

サーシァが言葉を詰まらせる

  「今その婚約者の方のお宅の子供として生活しているの。ミオも落ち着い
   たら私と同じところへ来るようになると思うわ。海が見えてとてもいい
   ところよ。」

サーシァは笑顔で続けた

  「週末は私も帰るし…地球は楽しい所よ。一緒にお買いものしましょう?
   おいしいもの食べましょう。」(サーシァ)
  「…困った事とかなかったの?」(ミオ)
  「う~ん、あったけど…過ぎちゃえば忘れちゃったり…それ以上に楽しい
   事が多くて…まぁしばらくおばあちゃんのとこでゆっくりして…それから
   の事はその時に考えればいいのよ。」(サーシァ)
  「お姉様はそのヤマトの事、よく知っているの?」(ミオ)
  「……えぇ…」

サーシァは悲しそうな顔をした。ミオはそれ以上聞かずバラに視線を移した