続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 2
「あなた、そろそろ到着ですよ。大丈夫ですか?」
三浦ではユキの両親が今か今かと到着を待っていた。そこへインターフォンが鳴った
「あなた、いらしたわ。」
母はそう言いながら玄関を開けると藤堂夫妻とサーシァと…サーシァの後ろに隠れるように小さな女の子が様子を伺っているのが見えた。
「…いらっしゃい…ミオちゃん。どうぞ…長官も…お疲れ様でした。
どうぞお入りください。」
母はそう言うと玄関に4人を通した。
「サーシァお帰り。」
「ただいま!…ミオ、です。私の妹…よろしくね!」
母は少し膝を屈みミオの目線に合わせた
「ミオちゃん…“森”って言います。よろしくね。」
そう言ってにっこり笑うと
「どうぞこちらで…」
父がリビングに手招きしてるので4人はリビングに向かった
藤堂夫妻と森夫妻で雑談していたがミオはサーシァと離れない。
「随分姉妹でも性格が違いますね。」
二人の様子を見ていた父親がにこやかに言った。
「同じ性格じゃ子育てはつまらない。個性が全く違うのも楽しいでしょう。」
そう言ってパイプをふかした
「訓練生の二人を見てきましたが…サーシァは守、ミオは古代、なんです。
顔はサーシァはスターシアさんによく似ていますがミオは古代によく
似ています。」
藤堂がそう言うと
「…誰かに似てる、と思ってはいたが…そうか…進くんに似てるのか。
最初サーシァを見た時ユキが帰って来たと思いました。進くんも戻って
来てくれた…そんな気がします。」
母は目頭を押さえて泣いていた。
「長官にはなんとお礼を言ったらいいのかわかりません。娘を失って…
息子になる予定だった子も失って…だけどこうして家族を与えて頂きました
きっとこの様子を天国で二人も喜んでみている事だと思います。」
父もそっと目頭を押さえた
「こちらもよかったです。イスカンダルの王女がいるとわかると犯罪に
巻き込まれかねない。知っているのはYUKIのクルーと通信班の伊藤のみ。
これだけ限られた人間しか知らなければ情報が漏れる事もない…と信じて
います。ところでミオですがこれからの相談なんですが…
すでにサーシァがこちらにいるので早めにミオを森さんに預けたいと
思っています。」(藤堂)
「はい。こちらはいつでも大丈夫です。」(父)
「ありがとうございます。ミオは海外へ親戚を頼って留学していたことに
します。YUKIのなかで英語とスペイン語はしっかり話せるようになって
います。どこの学校へ編入しても問題はないでしょう。ミオが森さんの
お宅でお世話になる時アナライザーも世話役と家庭教師代わりに常駐させ
ようと思っています。今は島の所にいますが…」(藤堂)
「アナライザーが来てくれるのは大歓迎です。健康管理もしてくれるので
安心できるんです。お勉強は私達にはさっぱりで…あ、そう言えば
幕の内さんは?」(母)
「幕の内さんは次の辞令が出ていますので…残念ながら…あの時はまだ
艦自体がなかったので家庭教師をさせたのですが…サーシァの時のように
訓練生になるために緊急に勉強しなくてはいけない理由がないので…
ミオはサーシァと同じ月齢で地球へ来ましたがサーシァほど急激な成長が
みられません。なので身長的に小学校4年生から編入させようと思ってい
ます。もちろん彼女の身の丈に合った勉強をするために国立に通わせます。
飛び級ができるから頑張り次第でいくらでも、と言う方がいいと思いまし
て…。小さい頃から一緒の友達が出来れば人見知りも少し落ち着くかも
しれないですし…」
藤堂はミオの人見知りを気にしていた。
「まだ幼いのに…人がたくさんいた環境に最近なったんです。人見知りが
あって当然だと思います。サーシァが特別なんですよ。」
めずらしく藤堂の妻が入ってきた。
「森さんとうちと…帰る場所があるから大丈夫ですよ。」
そう言って“お庭、見て来ていいかしら?”と言いながらサーシァとミオの所へ行った。
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 2 作家名:kei