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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 4

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  「父さん、揚羽財閥が最近よくパーティーで見かけますが…ちょっと気に
   なる事があって…。」

南部が話しかけると父はリビングのソファーに座った。

  「揚羽の長男がミオのラボにいます。」(南部)
  「揚羽の長男が?」(父)
  「えぇ、今日ミオがパーティーに出た事でわかりました。結構前から出入り
   してるみたいですね。向こうもミオを見て驚いていました。ミオの研究を
   揚羽に流してる可能性もあります。」(南部)
  「ないとは…言えないな。実際南部でしてるのと同じのを見た事がる。なぜ?
   と思っていたが…そうか、職権乱用だな。」

南部の父は腕組みをして考え込んだ

  「しかし…ミオのラボから揚羽を出すことができるでしょうか?」(南部)
  「わからん…ミオちゃん次第だと思うんだが…」

南部の母がワイングラスを一つ持ってきて父に一杯渡した。

  「ありがとう…今ミオちゃんが研究してる事を南部でバックアップする予定
   なんだが…揚羽と競合となる可能性があるな。」(父)
  「海水再生計画、ですか?」(南部)
  「そうだ…もし揚羽に漏れていて同じ研究結果となればそうなる可能性が
   ある…できれば南部でやりたい仕事なんだがな…」

珍しく父が力を入れているようにつぶやくので

  「そんなに力を入れてる事業なんですか?」

と南部が聞くと

  「海が海らしくなったらミオちゃんもイスカンダルに帰りたい、って気持ちが
   少なくなるかもしれないじゃないか。少しでもミオの住みやすい環境を
   整えてやりたいんだよ。」

そう言って父はワインを口にした。

  「うちには女の子がいないから…女の子がいる環境が嬉しくて仕方ないのよ。
   康雄には感謝してるわ。あんなにかわいくて素直で…娘が出来たようで私
   も楽しいわ。今日なんて誰からも“あの子は誰?”って聞かれて…」

母の言葉に南部は

  「…え?で、なんて返事したの?」

と慌てた様子で聞いたので

  「ん?普通に遠い親戚、って言ったわ。大丈夫よ、森さんの娘さん、なんて
   言ってないわ。でもドレスの映える子ね。見ててほれぼれしちゃったわ。
   康雄さんじゃもう、面白くないからときどき私が連れて行ってもいいかしら?」

母が楽しそうに言ったが

  「本人の気持ち次第ですけど私がいない時はダメですよ。護衛がいない状態
   であのような所へ連れ出すのは危ないです。」

南部が厳しい顔で言うので

  「あら…残念。康雄さんが拒否したのミオちゃんが初めてね。悠輝さんに
   またドレスお願い、って連絡しちゃったわ。」(母)
  「…私がいるときでミオがOKしたら連れて行っていいですよ。まぁ悠輝にして
   みたらいい宣伝になるしね。」

南部がワイングラスに残っていたのを全部飲んだ。

  「じゃぁ私も休みますね。おやすみなさい。」










南部の両親は南部の出て行った扉をしばらく見つめていたが母が最初に言った

  「意外とわかりやすい子だったんですね。」

母は弥生を呼んだ

  「お呼びでしょうか?」

弥生はすぐに来た

  「お茶を頂けるかしら?暖かい日本茶を。」(母)
  「少々お待ちください」(弥生)

弥生が出て行くと父も口を開いた

  「ミオちゃんがどんどん女性らしくなるにつれて康雄の女性のうわさが随分
   減った。本人に言わせれば“任されてるから”と言いそうだが…。今日の
   あの顔つきは今まで見た事がなかったよ。ただ康雄自身はまだ気付いて
   いないみたいだな。」(父)
  「そうですね、案外自分の事は見えないのかもしれませんよ?」(母)

そこに弥生がお茶を運んできた。

  「ありがとう…ミオちゃんの様子はどうでした?」(母)
  「かなりショックが強かったみたいですが奥様の香水から康雄様が作らせた
   シャンプーで落ち着かれたようです。」(弥生)
  「そう、よかったわ。何かあったらお願いね。康雄の眼が届かない所は弥生さん
   だけが頼りよ。ミオちゃんいなにかあったらうちは…。」(母)
  「お任せください。」

弥生はにっこり笑うと南部の父のワインを足して戻って行った。