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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 4

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  「気分はいかがですか?」

ミオの肩下まで伸びた髪にドライヤーを当てながら弥生が話しかけた

  「だいぶ落ち着きました。」

弥生は気分が落ち着くようにバラの香りのシャンプーを用意していた。

  「あのシャンプーすごくいい香り…落ち着きます。」

ミオがそう言うと弥生はにっこり笑って

  「康雄様がミオさんに用意してやってほしいと申しておりまして…実はあれは
   バラの貴重な香水を入れたシャンプーでガミラスとの戦いが始まる前に
   奥様がバラの香水を集めていらして…それを原料に作らせた特別なシャンプー
   です。元の香りが本物のバラなので他と比べ物にならないぐらいいい香りが
   するんですよ。お気に召していただいて…康雄様も喜びますわ。」

弥生がドライヤーを置いた

  「お飲物ご用意しますからリビングへどうぞ…」(弥生)

ミオはワンピースに着替えて南部がいるリビングへ向かった





  「お疲れさん、さっぱりした?」

南部は何事もなかったかのようにミオに聞いた。

  「…はい…あのぅ…」

ミオがモジモジしながら

  「さっきは助けて頂いたのに…お礼も言わずにごめんなさい…。」

小さな声だった。怖かった事を必死に殺しながら言葉を紡ぐ。南部はソファーを叩きながら“座ったら?”と言って自分の横に座らせた。

  「グレープジュースお持ちしました。」

ノックの音がして弥生がワインクーラーに入れて持ってきた。

  「康雄様、お間違いないようにお願いしますね。」

弥生はそう言って部屋を出て行った

  「色が似てるからな…。ミオのどかわいたろ?」

南部はグラスにジュースを注いでちょこんと横に座ったミオに渡した。

  「ありがとう。」

ミオはジュースを受け取った。

  「怖かったでしょ…俺が。」

南部が半分ほどグラスに残っていたワインを一気に飲んだ。

  「俺はさ、宇宙戦士だし…守るモノがあれば命がけで守ってきた…それが人
   でも地球でも同じ事。ミオにもしもの事があれば俺は相手を殺してでも
   ミオを守る…」

南部はグラスをテーブルに置いた。

  「南部さん…」(ミオ)
  「こうして笑ってるけど俺はこの手で何人も殺してきた。(手を見つめて)
   古代も悩んでいたと聞いたけど俺もそうだった。俺が砲塔に命令出すたびに
   エネルギー弾が相手めがけて飛んでいく…間違いなくその先にヒトがいる
   んだ。俺は…人殺しだ。ミオの手はきれいだけど俺の手は汚れている。」

南部はそういって両手を握りしめた。その時南部はバラの香りを感じた。

  「そんな事ない。」(ミオ)

ミオが抱きついてきた。南部は驚いた。

  「怖かった…すっごく怖かった。南部さんの意識もあの三人の意識も…あの
   三人の意識はものすごい殺意で…息が止まりそうだった…確かに南部さんも
   怖かったけど…私を運んでくれる時すごく暖かかった…。こんなに暖かい
   人が汚れてるわけがない…そんな事言わないで。」(ミオ)

南部はそっとミオの背中に手を置くと

  「…ありがとな。そう言ってくれると随分気持ちが軽くなるよ。」

ミオは静かに南部から離れた。

  「さて…飲み物飲んだら少し休んだ方がいい。」

南部の言葉にミオが首を振る

  「南部さんの心が泣いてる。」

南部が驚いてミオを見た

  「南部さん、私が泣いてたり何かあった時いつも一緒にいてくれた。今度は私が
   一緒にいる番。」

ミオはそう言ってそっと南部によりかかった








  「康雄様、ありがとうございました。」

いつの間にか寝てしまったミオをゲストルームに運ぶと弥生がリビングでワインを足していた。

  「あ、ありがとう……ミオは何か言ってた?」(南部)
  「えぇ…怖かった、と。だけど私も戦闘班の端くれですから…」

弥生はそう言ってにっこり笑ってリビングを出て行った

  (弥生さんとミオはどんな会話をしたんだろう?)

そんな事を思いながらワインを飲んでいると南部の両親が戻ってきた。

  「お帰りなさい。先に戻ってすみません。」(南部)
  「相原くんから聞いたよ、すまんな、裏で何が起きたか知らなくて。」(父)
  「いえ、あそこで大騒ぎするとお客様にもご迷惑ですからね。裏で全部済ま
   せましたから…長官は?」(南部)
  「相原くんが報告した後しばらく席を外していたから…あのお方はきちんと
   されてる方だから話をしてるだろう。それよりミオちゃんは?」(父)
  「えぇ、こちらに戻って来てシャワー浴びた後寝ました。ちょっとショックが
   あったようですが落ち着いています。」(南部)
  「そうか、よかった。じゃぁ今は…」(父)
  「ゲストルームで寝ています。」(南部)

南部の話を聞いて南部の母もほっとした様子だった