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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 4

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  「すごく怖かった…自分の心がつぶれてしまうのではないかと思うくらい
   怖かった…何度も何度も南部さんの名前を呼んだの。お姉様に届け、って
   何度も叫んだの。だけど声にならなくて…」(ミオ)
  「そっか…もう、大丈夫だから。今日はずっと一緒にいるからうちに帰ろう。
   うちの母も待ってるし…」(南部)
  「おば様…この事…」(ミオ)
  「知らないよ。何もね…森さんには俺から連絡したから…この事は誰も
   知らない…サーシァも島も…相原も…。さぁ帰ろう。」

南部が差し出した手をミオはとった。










  「ただいま。」「お邪魔します。」

二人が南部の家に入ると弥生が出てきた。

  「お帰りなさいませ、お食事の準備は出来ておりますが…リビングでよろしい
   でしょうか?」(弥生)
  「弥生さん、ありがとう。ミオ、食べられる?」

南部がミオに聞くと少し悩んだ様子だったので

  「弥生さん、先にシャワー浴びさせてあげてくれる?」

南部はそう言うと自分の部屋に手を挙げて向かった

  「ミオさん、お部屋はいつものゲストルームになります。どうぞこちらへ…」

弥生がミオが泊まるいつもの部屋に案内しようとしたがミオは南部の後を追って袖を掴んだ

  「…待って…一緒にいて…」

やけにおびえた様子だったので

  「ん?いいよ。じゃぁ俺の部屋でいい?」

南部が聞くとミオは頷いたので

  「ごめん、弥生さん、食事の準備してもらっていい?用意できたらミオ連れて
   リビングに行くから。」(南部)
  「かしこまりました。10分ほどで用意できますので…。」

弥生はそう言うとリビングを出て行った






  「どうした?怖いか?」

南部が聞くとミオが頷いた。

  「意識が…刺さるの。すごい冷たくて鋭くて…あのそばにいた揚羽さんの
   お父さんの意識も同じ…」

ミオはそう言って南部の部屋に置いてあるソファーに小さく座ると耳を塞いだ。

  「こうしてても聞こえてくる…」

ミオは小さく震えていた。南部は余りにもかわいそうになりミオをそっと抱きしめた

  「今の俺は守さん。ミオのお父さん。泣いていいから…」

ミオの心に暖かい風が流れてくる。寂しい思いを抱えながらも“ミオ”を守ろうとする気持ちが流れてくる。

  (この安らかな気持ち、なんだろう…イスカンダルでお父様とお母様と
   一緒に暮らしていた時のような気持ち…)

ミオは南部の優しい気持ちに身を預けながらそのまま眠りについた







  「ごめん、弥生さんミオ、寝ちゃった。」

部屋着に着替えた南部が一人リビングに降りてきた。

  「落ち着いたんですね、よかったです。」

弥生はテキパキ夕食の準備をしながら笑顔で答えた

  「あれ?母は?」(南部)
  「はい、ご主人が軍に呼ばれた、とかで…ご一緒です。」(弥生)
  「そう…あ、弥生さん、俺今日いつもミオが泊まるゲストルームに寝るから
   用意してもらっていい?」(南部)
  「はい、いつでも大丈夫ですよ。ミオちゃん、ここの子になってくれたら
   私も嬉しいんですけどね。」(弥生)
  「弥生さんもそうなの?母もだし…ミオは人気者だね…」(南部)
  「そうですよ、だからこそしっかりお守りしないと…何かあったんですよね?」

弥生がワインを注いだ

  「…まぁね。男性に免疫がないからさ…俺、心配で飛べないよ…弥生さん俺の
   代わりに(宇宙を指さして)行く?」

南部が苦笑いする

  「何をおっしゃいますか…私が康雄様の代わりなんて勤まるわけないですよ。
   戦艦に乗ってたのでちょっと乗りたい気もしますが…ブランク長すぎます。
   私はここで門番してるのが一番いいんです。それよりお料理が冷めますわ。
   どうぞごゆっくりお召し上がりください。ちょっとミオちゃんの様子を見て
   きますね。」

弥生はそう言うとリビングを後にした。







弥生はそっと康雄の部屋に入ってベッドで寝ているミオの顔を覗きこんだ

  「失礼します…ミオちゃん…よく寝ていますね。寝顔、かわいいなぁ…
   思い出すわ…古代さんを…」

弥生は進が進学した訓練学校の生徒だった。

  「本当、そっくりね。康雄様もそろそろ頑張らないと誰か王子様がひょこっと
   出てきてお嫁にさらわれちゃうわよ?」

弥生はブランケットを掛けなおすとリビングに戻った。