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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 4

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  「ミオちゃん!」

少し遅れて晶子がやってきた。薄い紫色のドレスを着ている。

  「晶子さん、きれい…相原さんは?」

ミオが聞くと

  「仕事中。おじいちゃんと一緒よ。ねぇおいしいもの食べた?」

晶子はお腹空いてるの、と言いながらバイキングに向かった。ミオと晶子から少し離れて南部が付いている。

  「南部さん、顔が怖いわね。」

晶子が小さな声で言った

  「うん、なんでもライバル会社がいるんですって。」(ミオ)
  「あぁ、揚羽、ね。南部に比べたら小さな会社よ?南部さんが眼を光らせる程
   の会社じゃないと思うけど?」

晶子がお皿に食事を乗せながら言った。

  「そっか…」






  (なんで森さんが南部さんと?)

ミオの研究室にもぐりこむのはたやすい事ではなかった。ただ父はミオの研究の内容を知って息子を送り出した。

  (森さんの研究が親父の会社をでかくするんだ。今ここで森さんのラボを外されたら
   南部の一角を崩すことができない…)

揚羽は父の会社、揚羽財閥を大きくする野望があった








  「ふぅ…」

ミオは初めてヒールの高い靴を履いたので足が痛くなって廊下に出て靴を脱いでソファーに座っていた。

  「ミオ、どこに行ったかと思ったよ。ダメだよ、勝手に行動しちゃ…」

南部が廊下に出てきた。

  「南部さんもあちこちから声かけられて忙しいでしょう?私なら大丈夫だから
   さっきもたくさんの女性に囲まれてたじゃない?行ってあげてよ。」

ミオはそう言ったが

  「俺はミオの護衛なの。」

そう言ってミオの隣に座った。

  「足、痛いでしょう?女性って大変だよね。キレイになるために無理して
   そんな高い靴はかないといけないんだから。」(南部)
  「そうね、私には向かないわ。ドレスより白衣の方が似合ってる。」

ミオはそう言ったが南部は心の中で否定した

  「ミオ、白衣似合うもんな。」

南部はそう言って笑った。ミオは“ヒドイ”と言った後動きが止まって廊下の先にある扉をじっと見つめた

  「南部さん、廊下の左の扉から嫌感じがする。三人…こっちを狙ってる。」

ミオの言葉に南部がコスモガンをそっと内ポケットから出してミオをソファーの後ろに回るよう無言で指示した。南部もそっとソファーの後ろに隠れた。

しばらくすると静かに扉が開いて空間騎兵隊の格好をした男が3人低い体勢で入ってきた。南部はそっと標準を合わせるとサイレンサーを付けて物陰から一番後ろの男から右肩を狙って順に撃った。


男たちは“ぐあぁ!”と声を上げながら一人ずつ瞬時に倒れた。と、同時にソファーの後ろから飛び出して床に落ちたコスモガンを南部はそれを蹴り飛ばした。

  「相原、廊下に!」

南部は羅針盤で相原を呼んだ






しばらくすると警察が三人を連れて出て行った。パーティーは何事もなかったように進んでいる。

  「南部、ありがとな。」(相原)
  「いや、お礼はミオに言って。ミオが足、痛くなければわからなかったから。
   長官に報告頼むな。俺はミオを連れて帰るよ。」

南部と相原がミオを振り返る。ミオは唇をギュッとしてソファーの隅に座っていた。相原もその様子を見てうなずくと“父君にも話しておくよ。”と言ってフロアーに戻って行った。

  「ミオ…帰ろうか。」

南部が声を掛けるとミオの瞳から大粒の涙がぽろぽろ落ちてきた。

  「怖かったよな…ごめんな。」

南部はそっとミオを抱きしめた。ミオは細くて小さく…その細い肩を震えさせて声を殺して泣いていた。

  「歩けるか?」

南部の言葉に首を横に振ると

  「しょうがないな。じゃぁ、帰ろう。」

ミオは急に自分の体重が無くなったかと思った。ふわっとした感覚の後でミオは南部にお姫様抱っこされてるのがわかった。

  「南部さん!」

ミオは落されまいと首にしがみつくと

  「そう、つかまってて。暴れると落とすかもしれないからね。腰ぬけちゃって
   るでしょう?大丈夫ですよ、落しゃぁしません。」

南部はそう言ってエレベーターに向かって歩いだした。