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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5

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YUKIは静かにヤマトの消滅地点に着いた。

  「乗組員全員宇宙服着用後甲板へ」

艦内放送が入ると全員宇宙服を着て甲板に出た。スターシアもサーシアに助けてもらいながら着ると守と一緒に甲板に出た。

  「はい、お母様。」

サーシァがスターシアに花束を渡した。スターシアはその花を見て驚いた。

  「これは…」(スターシア)
  「はい、以前いただいた花を地球で栽培しました。ぜひ、古代とユキに…ヤマトに
   お願いします。」

島がサーシァの後ろに立って説明した。

  「そう…イスカンダルの花が地球で…島さん、この花はイスカンダルでもう
   見る事が出来ません。数年前に絶滅してしまいました。少しずつ…イスカン
   ダルの植物が減っています。だけどこうして…受け継がれているのを見ると
   本当に嬉しい…」

スターシアが花束を抱きしめた。







  「古代、お兄さんと話せたか?」

島はいつもの碧いバラを宇宙空間に放った。そこかしこでクルーが思い思いの花を宇宙空間に放っている。

  「いつみてもきれいね。」(サーシァ)
  「そうだね、切ないけど…きれいだね。」(島)

いつもは真っ暗な宇宙空間が色とりどりの花で埋め尽くされる。

  「スターシア…さぁ…」

守が促してスターシアが花束のリボンをほどき宇宙空間に放った。その瞬間を相原が写真に収める。

  「こうして写真を撮ると二人が写ってくれるんです。ふたりだけじゃない、
   クルーが笑って…」

相原が泣きそうな声で言うと守は以前見せてもらった写真を思い出した。
 
  「そうか…あの写真はここで撮られたものなんだね…」(守)
  「誰もがいい顔で写っていて…いい写真でしょう?私の腕もいいんです。」(相原)

1時間ほどそこで思い思いの時間を過ごしYUKIはイスカンダルへ針路をとった。







守はYUKIが動き出すとすぐ艦長室へ向かった

  「長官、お願いがあります。」(守)
  「なんだ?」(藤堂)
  「火星によっていただけませんか?」(守)
  「火星に?」(藤堂)
  「妹のサーシァに会わせてやりたいんです。」(守)

守の言葉に藤堂はうなずくと

  「守、最初から寄るつもりだった。」

と、にっこりわらった。






  「こちらです。」

島が二人を案内する。二人の後ろにはサーシァがいた。サーシァ自身も叔母が火星に埋葬されているのを知らなかった。足元はさらさらした砂ですぐに足元を取られてしまう。守がスターシアを支えながら進んだ。

YUKIを近くに緊急着陸させて三人は黙って歩いた。

少し歩くと小高い丘の手前にコンクリートでできたイスカンダルの墓標がポツンと建っていた。

  「こちらです。」(島)
  「…ここにサーシァが…」

スターシアが守の手を離し墓標に縋り付いた。

  「余り…人に知らせると荒らされてしまう可能性があったので…ひっそりと
   こちらで安らかに眠っていただこうと…」

島が守に説明した。守は頷くだけだった。

  「おば様…サーシァです…。」

サーシァもそっと墓標に触れた

  「あの日…守さんたちの戦いのあった日、すごい勢いで飛んできた宇宙船を
   見たと思います。それに乗っていたのがサーシァさん。途中被弾して火星に
   不時着しました。その時握られていた通信カプセルを元に作られたのが
   ヤマトの心臓部、波動エンジンです。真田さんがいたからそのカプセルを
   実用化する事が出来てなお、攻撃に使えるよう改良してくれました。
   スターシアさんの愛の手とサーシァさんの勇気ある行動で地球は救われました。」

島はスターシアに向かってそう告げた。

  「島さん、ありがとう。サーシァの魂を感じます。イスカンダルよりこちらの
   方が強く感じるわ。きっとサーシァも地球を守っているのね。」

スターシアはそう言って墓標を離れると

  「ありがとう…あなたのおかげで私は幸せになれたわ。」

笑顔でそう伝えた。




YUKIはサーシァの遺体を冷凍カプセルに入れて出航して行った。















  「古代さん、スターシアさん。」

二人の部屋を相原が尋ねた。

  「どうぞ。」(守)

相原は守の許可が出たので部屋に入った。手に端末を持っていた。

  「お待たせしました…先ほど撮った写真です。いい顔ですよ。」

相原は端末を広げると操作の仕方を守に教えて部屋を出た。守はそうか、と思いながら端末を操作してスターシアにも見えるようセットした。