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続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5

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  「あの子たち、遅いわねぇ…お茶準備できてるのに…」

父も二人が揃うとあって休暇をとっていた。リビングで待っていると床を引きずる音が聞こえて来て父と母が音のする方を見るとミオがユキのドレスを着てやってきた。

  「お父さん、お母さん…私が式で着るドレスだけど…ちょっとミオに着て
   もらったの。どう?似合うと思わない?」

父と母はユキの当時の様子を思い出して涙が出てきてしまった。

  「きれいよ…とても似合っているわ。」(母)
  「うん、うん。嫁にやるのがもったいない。ずっとここにいてもいいよ。」(父)

サーシァとミオにもふたりの脳裏に浮かんだ映像が見えた。

  「ユキさん、悩んで悩んでこのデザインにしたのね。」

サーシァが言葉にすると二人はハッとしたが

  「ううん、いいの。私達、恩返ししたいの。こうして地球で幸せになれたの
   お父さんとお母さんのおかげだもん。好きな事たくさんさせてもらって…
   こうして幸せになれる…いつでも帰れる場所がある…私たちを見てユキさん
   を思い出すことを押さえないでほしいの。島さんの所へ行っても私は森の
   人間…お父さんとお母さんの娘よ。」

サーシァとミオは二人の元へ近寄った。

  「二人とも…私の自慢の娘だよ。」

父は二人を抱いて泣いた。


 







  「ここが地球…」

YUKIの眼下に広がる碧い星がみるみる大きくなる

  「そうだよ、サーシァとミオが待ってる…」

守がそっと後ろに立っていた。


しばらくすると艦内放送が入った

  「間もなく着水します。総員ベルト着用!」

島のキビキビした声が聞こえてくる

  「守さん、スターシアさんをお願いします。」(島)

守はスターシアを座席に座らせるとベルトを調節した。



YUKIは静かに着水した。そしてドッグへ入るが通常のドッグでなく秘密ドッグへ入港した。軽い金属音をさせてタラップが下りてくる。いつもなら最後に降りてくる長官が一番最初に立っていた。

後ろから二人、ついて下りてくる…

ドッグで待っていたサーシァとミオ。その後ろに秘密ドッグに入る許可を特別にもらったユキの両親もいた。

  「サーシァ、ミオ…お連れしたよ。」(藤堂)

二人の眼には涙が溢れそうになっていた。そして藤堂の一言の後二人はスターシアに抱きついた

  「「お母様!」」

守はそんな二人を後ろからそっと抱きしめた。ユキの母もハンカチを目に当てている






島と南部は第一艦橋でその姿を見てた。

  「感動の再会だよな…出る幕ないな。」(島)
  「あぁ、」(南部)
  「あ…帰っちゃいますよ?いいんですか?」(相原)
  「いいんだよ、俺たちはこれからずっと一緒に居られるけどスターシアさんと
   守さんは地球に滞在する数日だけだからな。」(島)
  「そうそう、俺たちはいいの!それより今日、飲みに行こうぜ!」(南部)
  「え~晶子さぁん…」(相原)
  「いいだろ?まず下艦の準備だ。」(南部)

それから数時間後相原は南部と島に脇を固められ飲みに連れて行かれた。




  「お父様、ここが英雄の丘よ…」

ふたりは守とスターシアを連れてきた。ユキの両親は少し離れた所から4人を見守っていた。

  「沖田艦長…」

守は沖田の銅像の前で黙とうするとスターシアもそれに倣った

  「進…ユキ…辛かっただろう…地球へ来る途中、ヤマトの消滅地点に寄った…
   ごめんな、何もできなくて…」(守)
  「ユキさん…あなたのおかげで二人は幸せになれます。本当にありがとう。」

スターシアの眼に涙が光っていた。しばらく英雄の丘を散策し三浦に向かった


それから少し遅れてYUKIのクルーが英雄の丘にやってきた。

  「あれ?お花が置いてあるぞ?」(島)
  「守さん達が寄ったかな?」(山本)
  「今頃三浦に向かってるかな」(相原)
  「きっとね。」(南部)
  「古代もユキさんも喜んでますね」(太田)

5人は雑談しながら海を振り返った。夕日に照らされて美しい水面を輝かせている…オレンジ色に照らされた沖田の像が二人を祝福しているように見えた









  「守さん、ここ、わかります?」

ユキの父はエアカーを下りた守に聞いた。すっかり風景は変わってしまったが忘れるわけがない…と目が言っていた