続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5
「疲れたかい?」
守が少し疲れの見えるスターシアを部屋に連れてきた。
「えぇ…少し…余りにたくさんの人がいて…」
スターシアは人酔いしてしまったようだった。
「まぁ…ゆっくりしよう。きっと朝まであの宴会は続きそうだ。」
守はスターシアにお水をグラスに注いで渡した。
「ふたりは…地球人になるんですね。」
スターシアが寂しそうにつぶやいた。
「違うよ、スターシア…あの子達は地球人でもありイスカンダル人でもある。
何があってもあの子達は私たちの子…そうだろう?」
守も自分の水をグラスに注いで一気に飲んだ。
「久々の地球のお酒は効いたな。シャワーを浴びて休もうか。」
守はシャワー室を確認するとスターシアに先に入るよう勧めた
守はスターシアがシャワーの栓を開けるのを確認して相原に連絡を取った。
「すまんな、楽しんでる所。スターシアが疲れたようだったから部屋に引上
げさせてもらったよ。すまないが長官に伝えておいてほしい。」(守)
<了解しました。具合でも?>(相原)
「いや、あれだけの人が揃うところ、ほとんど経験していないからどうやら
人に寄ってしまったらしい。こちらは大丈夫だから…」(守)
<了解しました。何かお持ちするものがあれば遠慮なく言ってください。>
相原はそう言うと敬礼して画面を閉じた
「やっぱり地球に住むのは難しいだろうか?」(相原)
もし今回地球に着た事で“イスカンダルに帰りたくない”とスターシアが言ってくれたらサーシァとミオも喜ぶだろうと思っていたのだ
。
ひとり呟いていると太田がやってきて
「俺も結婚したくなってきたよぉ~相原も幸せそうだし…南部なんかさぁ別人
だよなぁ~あんだけ手広くお店広げてたのにミオちゃんと一緒にいるように
なったら家からでなくなったもんなぁ~家にいなきゃ森さんトコだし……
相原、晶子さんの友達紹介してくれよ。」
太田が嘆くと相原の後ろに晶子がいて
「あら、いいわよ?」
太田が晶子を見ると
「今日、太田さんに会えたら伝えようと思ってたのよ。太田さん、復活した
柔道の世界選手権とオリンピック、連覇したじゃない?それを見てた同級生が
太田さん、紹介してほしいって言われてて…彼女も柔道してたのよ。いつも
二番手で残念ながら国際大会出た事ないんだけど…補欠でいつもいた子なの。
だから多分太田さんも見たことあると思うわ。お話勧めていかしら?」
ひょんな所からいい話が出てきて太田はただ頷くだけだったが
「いいなぁ~太田~」
山本が飲み物を持ってこちらを見ていた。
「山本はモテるからいいんだ!」(太田)
「そうか?お前結構評判いいぞ?俺、よく聞かれるぜ?太田の事。」(山本)
「え?」(太田)
「月基地で艦載機の指導してるとお前の指導を受けた、って子、結構いるんだ
よ。そこで“見た目に寄らず厳しくて…強くて何があっても守ってくれそう
ってさ。だけど俺の顔見るとみんな逃げていくんだよ…」(山本)
「山本は声かけにくそうだからな。」(相原)
「そうそう、山本さんもモテますよ?だけどやっぱり“怖そう”って…決して
そうじゃないんですけどね。私はちゃんと否定していますよ。もちろん山本
さんファンもいるので…ご紹介しましょうか?ご両親も心配されてますよね?
山本さんのご両親、デザイナーで先日も雑誌に載ってましたわ。一人息子の
話が良く出て来ていましたから…お見合いさせようかしら?みたいな事も
書かれてましたよ?実家に行ったら写真届いてるんじゃないですか?」(晶子)
「え?両親が雑誌に?」(山本)
「あら?ご存じない?2,3か月前ぐらいだから…プライベートのメール開いて
ます?写真がいっぱいで重いかもしれませんよ?」(晶子)
「……消去します。」(山本)
「じゃぁ山本さんにお似合いな方いるので…」
晶子は心当たりがあるのだろう、上を見て人差し指を顎に当てて楽しそうだ。
「「晶子さん、よろしくお願いします。」」
太田と山本はしっかり頭を下げた
フロアーの中心には4人がいて幸せそうに笑っている。相原達はその姿をいつまでも眺めていた。
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5 作家名:kei