続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5
<再び>
それから二日間、リゾートホテルでゆっくり過ごした後参列者は日本に戻ってきた。
「お疲れ様でした。今何か飲み物お作りしますね。」
三浦の家に守とスターシアも戻ってきた。
「いえ、どうぞお気遣いなく…森さんも休んでください。」
スアーシアがユキの母の手を取った
「本当にありがとう…あなたがいろいろ考えてくださった事ありがたく思い
ます。だけど私たちは予定通りあさって、イスカンダルへ戻ります。」
「スターシアさん…」(母)
「あの子達の母はあなたです。…もう、私ではありません。もう、思い残す事は
なにもありません。あの子達が幸せになってくれれば…もういいんです。
私たちは静かにイスカンダルで暮らします。」(スターシア)
「待ってください、進くんが残したもの…守さんの退職金も、ですが進くんの
残したもの、私たちが預かっています。もし地球に戻って来ても大丈夫な
くらい、残っています。地球で何も心配せず暮らせます。どうか…私達は横浜
に自宅があるのでそちらに移れますから…ここにお住まいになって…地球で…」
母が必死に説得するが
「森さん、ありがとうございます。そのお金はどうぞお二人でお使いになって
ください。あの子達を育てるにもお金がかかったと思います。式だって
いくら相手が南部でも全く費用を出さないわけには行かないと思います。
私たちは何もできませんでした…お金で解決できないものですが…それを
森さんが使ってくださるならそれでいいのです。」(守)
「イスカンダルはだいぶ環境が悪くなってきた、と伺っております。お願いです、
もう一度考え直していただけませんか?」(母)
「……ありがとう…気持ちだけ…いただいておきますわ。」
スターシアはそう言うと母の手を放してゲストルームに向かってしまった。
「守さん…」(父)
「彼女の好きにさせてあげてください。妹が火星で命を落としてから彼女は
一人生き延びてしまった事を悔いています。イスカンダルにいる事が彼女の
償いでもあるのです。今回長官にお願いしてサーシアの遺体をイスカンダルに
連れて帰ります。妹を静かに埋葬してやりたいと思っているのでしょう…。
私ももう、イスカンダルの人間です。私も彼女と一緒にイスカンダルの土に
なります。ただ、まだまだイスカンダルは生きています。そして地球に
もっとたくさん、技術支援をしたいと思っています。今すぐどうこう、と
いう事はありません。多分スターシアは優しくされる事に慣れていないので
森さんにそう言われて嬉しいのですがどうそれを表現していいかわからない
のです。森さんの気分を害していたら本当にすみません。スターシアを悪く
思わないでください。」
守が必死に弁解する
「いえ、スターシアさんを悪く、だなんて思わないです。スターシアさんは
壮大な愛で地球を救ってくださった方…ただ、知っておいてほしいのです。
あなたを待っている星がある、って…。」(母)
「……わかりました。ありがとうございます。」
守はそう言って頭を下げるとゲストルームへ入って行った
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト ミオ編 5 作家名:kei