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田舎のおこめ
田舎のおこめ
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Dear

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っと言いながら、思いっきり赤面してたので恥ずかしくて顔を背ける。
「じゃ、ミクねぇ飯作るまでちょっと時間あるだろ?一緒に風呂入る??」
ボン!
頭から湯気が出た気がした。
「な、な、な、なに言ってんのよ!!お風呂くらい一人で入れるでしょ!!??」
確かに、いつも仲良く(カルに言わせれば<ベタベタ>)しているが、この日はなぜかいつもより積極的だった。
「そんなに照れるなよー。ちょっと前まで、一緒に入ってたじゃないのー。」
「最後に一緒に入ったのは4年も前!!」
「あははは、そんなに怒るなって。冗談冗談。さすがに一緒に風呂入ってる所なんて家族に見られたらなんて言われることか」
「当たり前でしょ!!もうお互い中学生なんだから!!」
恥ずかしいやら照れくさいやら訳が分からなくて、レンを怒鳴りつけた。
でも、レンは私の怒ってる声が嬉しいかの様にずっとニコニコしていた。
「さて、ミクねぇも元気になった事だし、風呂行こうかな。なんか元気なかったように見えたけど・・・なんかあるなら、俺に相談してくれよ。絶対、ミクねぇの力になるから」
さっきまでの怒りが一気に冷め、すこし恥ずかしくなる。
レンはずっと、私の心配をしてくれていたのだ。
昔から、私になにかあると一番に気付いてくれた。
ほんとに、頼りになり過ぎる私の弟だ。そんなのだから、私は魅かれてしまう。
「うん・・・ありがとう。なんでもないよ。レンと一緒に帰ったら元気でたし!」
「そっか・・・それならいいけど。あんまり、無理すんなよ?」
私は笑顔で頷いた。
レンの気遣いはとても嬉しかった。他の悩みなら、すぐにでも相談していたと思う。私は、とても弱いから。
でも、これは・・・こればっかりは、私が一人で解決しなきゃいけない。
もしその結果、レンを諦めなきゃいけなくても。
・・・できる気はしないけど・・・。
「まあ、いくら俺でも、ミクねぇの胸・まな板問題を解決するのは・・・ぶふぇ!!」
持っていた鞄を全力でレンの顔目掛けて投球。
「早くお風呂入っちゃいなさい!!」

レンがお風呂から上り、私も晩御飯の準備を終えてしばらくして妹、姉、母、父が順番に帰って来た。
この日は珍しく、共働きの両親が残業もなく帰って来たので、家族団欒の夕食。
「レン、今日は優勝したんだってな??さすがオレの子だ!!」
父がレンに向けて言う。
レンは、今更聞き飽きたとばかりに、適当に言葉を返す。
「今日は、じゃなくて 今日も、だからな。でも、俺が強いのは父ちゃんじゃなくて母ちゃんに似てるからだと思うぜ。」
「あら、レンちゃんよく分かってるじゃない。さすが私の子ね」
母が嬉しそうに答える横で、反論の言葉が出てこない父が居る。
「私、今日のレン君も見てたよ!最後しか見れなかったけど・・・楽勝で優勝してた!」
「へー。相変わらずミクはレンにべったりだなぁ。そんな過保護に応援しなくても、こいつは勝手に優勝するぞ、多分。」
「そうそう。ミクちゃんはレンに甘すぎるよ。レンも調子に乗るって」
姉のルカと妹のリンがそれぞれ言葉を発する。
それに対して、「ただの応援だもん!」とか、「レンが姉離れしてないだけだし!」と、必至で反論する。
「いやいや、ミクねぇの応援があるって分かってるから俺は頑張ってるんだぜ??カッコ悪いとこ見せられないじゃん。」
レンが言う。
「なに言ってんのよ・・・」
言いながら顔が赤くなるのが分かったので、下を向いていた。
みんなが笑った。レンもルカもリンも父も母も。
その中で、父と母の笑い声がどこかぎこちなかった様に感じたのは気の所為にしていた。
団欒の夕食が終わりルカはお風呂にリンは部屋に行き宿題をしレンは試合で疲れたのか、もう寝ると言って部屋に行った。
私は母と一緒に食器を片づけ、それが終わり父、母と一緒に一息ついていた。
そこから、真剣な顔をした父・母との話が始まった。
「ミク、ちょっといいかい?」
父に呼ばれ、その真剣な顔に驚きながら返事をした。
「・・・なーに?お父さん?」
「・・・ミクとレンは、すごく仲がいいよね?」
一瞬にして、私の心臓は大きく跳ねた。
仲のいい姉弟はいいことだ。ただ、なぜそれを真剣な表情で父が聞いてくるのか。
カルの言葉がフッと頭によぎる。
『いい、ミク。弟君とは_____』
「・・・うん、仲良しだよ?だってレンは弟だもん」
出来る限り、平静を装って答えた。
ただ、動揺しすぎて、ホントに装えたのかよく覚えていない。
「うん・・・そうだね。ミクとレンは姉と弟だ」
「当たり前じゃない。なに言ってるのお父さん?」
「いや・・・ホントはお父さんも、こんな事聞きたくはないんだ」
「・・・・・なにが言いたいの?」
強気な態度とは裏腹に、耳をふさぎたかった。逃げ出したかった。
父と母に、こんな質問される事自体、もう言われる内容は分かり切っている。
「ミク・・・ミクはレンの事、どう思っているんだい?」
分かっていた。
この質問の意味も、意図も。
「どうって・・・弟だよ。可愛い弟」
誤魔化したかった。ここまで追い込まれても、まだ誤魔化せると思っていた。
「弟・・・そう、弟だ。ミクとレンはもう中学生になるね」
「う、うん。そうだね」
「姉と弟で仲がいいのは、お父さんもお母さんもすごく嬉しいよ。ただ、距離感があまりにも近いんじゃないかなって思って・・・」
「言ってる事がよくわかんないよ」
ここで、初めて母が口を開いた。
「ミク。あなたとレンの仲の良さは噂話でもよく聞くの。学校でもよく一緒にいるみたいだし、たまに・・・手を繋いで帰ってるって噂も」
「・・・・!!」
声も出なかった。
周りに注意を払っていたつもりだったのに、見られていたらしい。反論しようと思ったが、すぐには吐き出す言葉を思いつけなかった。
「もう一度言うけど、お父さんもお母さんもミクとレンが仲が良いのは嬉しいよ。ただ、やっぱりミクもレンもいつまでも子供じゃない。正直、中学生でここまで仲が良いのは・・・・心配になる」
さすがに、娘と息子が魅かれあっていると言うのは抵抗があるらしい。
心配という言葉で濁したが、つまりはそれを危惧している。
当然だ。
中学生なんて、男女を意識し出す年頃。
それが、たとえ姉弟でも手を繋いで歩いていたなんて話を聞けば、疑いも掛けたくなるだろう。
私は頭が真っ白になった。
どうすればいいのか分からない。でも、父と母に心配は掛けたくない。
世間から見て、自分が間違っているのも分かっている。
なら・・・私が・・・私が我慢したら・・・
「もう一度聞くよ、ミク。ミクはレンの事を、どう思って入るんだい?」
父と母の真剣な眼差しが突きささる。
私は・・・もう・・・
「・・・あー。もう、お父さんもお母さんも心配しすぎだよー!私とレンは血の繋がった姉弟だよ!?いったいなにを心配してるのよ!まあ、私がレンの事心配して、ちょっとベタベタしすぎたのがよくなかったかな??」
「ミク、それは本心・・・」
なにか言おうとした母の言葉を遮りながら、私は言葉を続けた。
作品名:Dear 作家名:田舎のおこめ