凛ちゃん女体化したら争奪戦になった
怜凛デート その2
金網の向こうには岩鳶小学校がある。
そして、凛が立っているちょうど向こうには桜の樹がある。
今は冬なので、桜の樹には花も葉もない。
だが、それを凛はじっと見ている。
「……桜のプールで泳ぎたいんですか?」
怜は問いかけた。
桜のプールで泳いでみたい。そう小学生のころに凛が言ったと聞いた。
自分が直接聞いたわけではない。
残念ながら。
凛は眼を怜に向けた。
「ああ」
怜に言う。
「だって、綺麗だろ?」
心からそう思っているように、屈託なく笑った。
本当にもう、このひと、どうにかしてください。
作品名:凛ちゃん女体化したら争奪戦になった 作家名:hujio