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未来話詰め

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いきなりの有名人の登場に、合コン参加者は喜ぶと同時に緊張した。その空気を、凛は世界的な大会での出来事を話したりすることでやわらげ、活気づかせた。
小学校卒業後のオーストラリア留学での挫折で凛の雰囲気は大きく変わったが、小学生のころの凛はよく喋るお調子者だったのだ。
洞察力に優れていて、その場の空気を一瞬で読むことも、その場の空気を自然になごませることも、やろうと思えばできる。
「だからって、一緒に写真まで撮って」
遙はやはり堅い声で言う。
「それも、ふだんは滅多に見せないような、あんな笑顔で」
昔はバカみたいに笑っていたのが、やはりオーストラリア留学での挫折を経て、凛は笑わなくなった。帰国後の高校二年の夏の地方大会後に笑うようになったが、昔ぐらいまではもどらず、笑う機会は少ない。
それが、今夜は、合コン参加者たちに頼まれて、その者の携帯電話での撮影に応じ、その者の隣で笑顔を携帯電話のほうへ向けて見せた。
「だから、気ィ遣ったんだよ」
「……気を遣わなければならないようなことをする、おまえが悪い」
「飛び入り参加したことか? ああ、たしかに、やり過ぎだったかと思う。悪かった」
潔く凛は自分の非を認め、謝った。
「だが、やっぱり、俺はおまえに合コンには参加してほしくねえ」
声のトーンを落として、凛は言う。
「おまえを他の男にとられたくねぇんだよ」
少し甘えた声になった。
沈黙。
そして。
「……バカだな、おまえは」
その遙の声はやわらかかった。
ふと、凛の手になにかが触れた。
遙の手だ。
握ってくる。
その手を握り返して、凛は笑う。昔のように。
それから、遙がひとり暮らしをする家に、ふたりで帰った。










作品名:未来話詰め 作家名:hujio