にょたりんちゃん受け詰め
遙の英語力(遙凛)
休日、凛は遙と会って話をしていた。
話題は英語についてになった。
オーストラリア留学していたこともあり凛は英語が得意だ。
だが、遙の不得意科目は英語である。
遙はいつもの無表情で淡々と語る。
「読むのは、わかる単語をひろっていけばそこそこなんとかなるんだが、聞くのは、相手がなにを喋っているのかがさっぱりわからないときが多い」
「それじゃ、会話にならねぇな」
「ああ」
凛の言葉にうなずいてから、ふと、遙はなにか思いついた顔になった。
「だが、俺にも聞き取れる言葉がある」
「なんだ?」
いちおうたずねながら、凛は、どうせFreeって言うつもりだろ、と思う。
遙は凛を真っ正面から見て、告げる。
「I love you」
ハッキリとした、強い声だった。
凛は絶句する。
「……どうした、凛、顔が赤いぞ」
「うっせえよ!」
反射的に怒鳴ると、凛は遙から顔をそむけた。
たしかに顔が熱い。
そのことを、いまいましく思う。かなり恥ずかしい。この熱が一刻も早く下がってくれることを願った。
作品名:にょたりんちゃん受け詰め 作家名:hujio