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にょたりんちゃん受け詰め

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うつった(怜凛)



今日は日曜日で、水泳部の練習は午前中のみだった。
午後から凛は怜と待ち合わせて会った。
特に用があるわけじゃない。
まあ、デートというヤツだ。
まさか自分が年下と付き合うようになるとは。ちょっと驚きだ。それも、見た目堅苦しくて、中身も堅くて、さらに残念な面もある相手だ。
でも、案外、楽しい。
だから、いい。
そんなふうに感じつつ、凛はメガネ店に入った。
「視力が落ちたんですか?」
彼氏に昇格したあとも、怜は敬語を崩さない。
「いや、ブルーライト対策したほうがいいのかと思って」
「効果あるんでしょうか?」
「さあ、わかんねぇな」
凛は台に並べられているメガネをひとつ手に取った。
それを掛けてみる。
それから、メガネを掛ける自分の顔を怜に向けた。
「これ、おまえが掛けてんのと似てるな。ペアになるな」
凛は笑った。
何気なくした言動だった。
けれども。
怜はメガネの向こうの眼を大きくした。
その顔が真っ赤に染まる。
「……なんで、顔、赤くしてんだ?」
「……凛さんだって赤いです」
「これは、おまえのがうつったんだよ!」
文句を言いながら、なんでこういうのはうつるんだろう、と凛は思った。






作品名:にょたりんちゃん受け詰め 作家名:hujio