夜もすがら涙しても朝明けには喜びを
深夜
帰宅途中で呼び出しが掛かりUターンしてそのまま捜査へ。
慣れてるとは言えそんな日々が続くとさすがに疲労困憊になり、現実逃避の為に錆びついた扉を開け屋上へ向かう。
そして星のよく見える澄んだ空をぼんやりと見つめながら紫煙をくゆらす。「どこまで……行けばいいんだろうなあ…」
錆びついた扉を押し開け殺風景な屋上に上がると、見慣れたくもない背中が見えた。
「……森川?」
恐る恐る声を掛けてみる。するとふいっと振り向き持っていたタバコを慌てて消した。
「なんだ、探偵早かったな」
暗にタバコ休憩の邪魔すんなと聞こえたが俺は聞こえなかった振りをした。
作品名:夜もすがら涙しても朝明けには喜びを 作家名:tesla_quet