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「さあ、覚悟は宜しくて？　手札からモンスターを召還。現れなさい！　暗黒界の狂王ブロン！」


○暗黒界の狂王ブロン
効果モンスター
星４/闇属性/悪魔族/攻1800/守 400
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
自分の手札からカードを１枚選択して墓地に捨てる事ができる。


「また効果モンスターか……」
　だがこのままではダメージは与えられない。しかし、そんなこちらの思惑を読んでか、
ストラがこちらを嘲るように笑った。
「手札から魔法発動。太陽の書！　さあ、隠れてないで出ていらっしゃいな！」


□太陽の書
通常魔法
裏側表示でフィールド上に存在するモンスター１体を表側攻撃表示にする。


「きゃはは、随分可愛らしいモンスターですこと！」
　太陽の書の効果で、伏せていたモンスターカード、ダンディライオンがさらけ出される。


○ダンディライオン
効果モンスター（制限カード）
星３/地属性/植物族/攻 300/守 300
このカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上に「綿毛トークン」
（植物族・風・星１・攻／守０）を２体守備表示で特殊召喚する。
このトークンは特殊召喚されたターン、アドバンス召喚のためにはリリースできない。


攻撃表示になってしまったからには、ダメージは避けられない。
「くそ……っ」
「更に罠を発動。光の召集！」


△光の召集
通常罠
自分の手札を全て墓地に捨て、その枚数だけ自分の墓地から
光属性モンスターを選択して手札に加える。



「私は手札を全て捨てて、魔轟神ガルバス、魔轟神ミーズトージを手札に加える。
そして……私が捨てたカードはこの二枚。暗黒界の軍神シルバ、暗黒界の武神ゴルド。
お嬢様、知ってらして？　この二体は同じ効果を持っていますのよ」
　にっこりと、ストラが微笑み、優雅に首をかしげる。
「おいでなさい。シルバ、ゴルド！」



○暗黒界の軍神シルバ
効果モンスター
星５/闇属性/悪魔族/攻2300/守1400
このカードが他のカードの効果によって手札から墓地に捨てられた場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、
さらに相手は手札２枚を選択し、好きな順番でデッキの一番下に戻す。

○暗黒界の武神ゴルド
効果モンスター
星５/闇属性/悪魔族/攻2300/守1400
このカードが他のカードの効果によって手札から墓地に捨てられた場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、
さらに相手フィールド上に存在するカードを２枚まで選択して破壊する事ができる。


「攻撃力2300のモンスターを、二体同時に……特殊召還だと」
「うふふ、さあ、皆さん。お嬢様と遊んでさしあげなさい！　シルバでダンディライオンを攻撃！」
「くず鉄のかかし！　……っ」
　大振りの刃がダンディライオンを貫通する間際にくず鉄のかかしが防ぐ。
だが再びセットされたそれはこのターンもう使うことはできない。
「さあさあ、もう守るものはいらっしゃらなくてよ！？　お嬢様！
暗黒界の暗黒界の狂王ブロン、ダンディライオンを攻撃！」
　ぬいぐるみが引きちぎられるように、ダンディライオンが無残に破壊される。
「ダークゾーンの効果により暗黒界の狂王 ブロンの攻撃力は＋500。
さあお嬢様、お仕置きの時間ですわよぉ！」


暗黒界の狂王ブロン　攻1800＋500＝2300
ダンディライオン　　攻300
ネロ　LPダメージ2300-300＝2000　　残りライフ2000

　2000のダメージ。ダンディライオンを引き裂いた力が、黒い渦になって向かってくる。　
（ネロ！）
「く……」
　多少の衝撃は覚悟していたつもりだった。元々、怪我には慣れっこで、痛みには強い。
はずだった。そう思っていた。けれど。
「う……あ、ああああああああああっ！？」
（ネロ！　ネロ！　しっかり！）
　痛い。体が引き裂かれたみたいに。まるで先程破壊されたダンディライオンの痛みを
そのまま引き継いだように、全身を苦痛が襲う。
身体を走る衝撃に立っていられずに床に、うずくまり呻いた。呼吸ができない。
（ネロ！　ネロ！！！）
　返事もできず、呼吸を荒くして床に転がっていると、甲高い嘲笑が投げつけられた。
「あら、少しは可愛らしくなったんじゃなくて？　ねえ、お姉さま」
「そうねえ。さっきの叫び声は下品で仕方なかったけどね！」
　二人の笑い声はもはや、クスクスと上品なものからけらけらと悪魔のそれに変わっていた。
　悪魔？　そうだ、闇のデュエルと言っていたっけ。
「現実の痛みを……伴う、デュエル」
　アタシは痛みをこらえて、立ち上がる。
赤と青、重なっていた双子の綺麗なガラス球の瞳が三日月にゆがみ、こちらを見た。



TURN-１　part-A　end

アイキャッチ　ギルフォード・ザ・ライトニングとネロ（ワンピースver.）
「"Fulmine di Sa'etta!!"」（フルミネ　ディ　サエッタ）ライトニングサンダー！


アイキャッチ　狂王ブロン　シルバ、ゴルド　ストラ
「"Ah la maledizione! maledizione! maledizione!!!"」（マレディツィオーネ）呪われろ！呪われろ！呪われろ！！




「現実の痛みを……伴う、デュエル」
　アタシは痛みをこらえて、立ち上がる。
赤と青、重なっていた双子の綺麗なガラス球の瞳が三日月にゆがみ、こちらを見た。

「あら、まだ意識があるみたいですわよ。さぁすがお嬢様。しぶとくていらっしゃること！」
「あんまり苦しめても可哀想よ。早く楽にして差し上げましょう」
「……なめんな、クソガキども」
　全身を裂く痛みをこらえつつ、ディスクを構える。
「アタシは……ダンディライオンの効果を発動。このカードが墓地に送られた時、自分フィールド上に綿毛トークンを二体守備表示で特殊召還できる。……更に、伏せていた罠カードを発動する」
　よろけながら、伏せていたカードをめくる。
「ヒーロー・シグナル。デッキからＥ・ＨＥＲＯ クレイマンを守備表示で特殊召還！」


△ヒーロー・シグナル
通常罠
自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊され
墓地へ送られた時に発動する事ができる。
自分の手札またはデッキから「Ｅ・ＨＥＲＯ」という名のついた
レベル４以下のモンスター１体を特殊召喚する。


○Ｅ・ＨＥＲＯ クレイマン
通常モンスター
星４/地属性/戦士族/攻 800/守2000
粘土でできた頑丈な体を持つＥ・ＨＥＲＯ。
体をはって、仲間のＥ・ＨＥＲＯを守り抜く。



「無駄ですわ！　暗黒界の武神ゴルドでＥ・ＨＥＲＯ クレイマンを破壊！」
「更に罠を発動。　正統なる血統で墓地のＥ・ＨＥＲＯ スパークマンを特殊召還！」
「往生際の悪い……！　そんなに苦痛を長引かせたいのかしら！」


△正統なる血統
永続罠
自分の墓地に存在する通常モンスター１体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。