彼女は超新星
ぐるりと視界が、世界が回る。
鉄の匂いと薄暗い世界、血なまぐさいモノクロの世界、狭いセピア色の世界に光に溢れた世界が入れ代わり立ち代わり彼の視界を訪れる。彼はしかと胸にあるものを抱きしめる。
そしてふいに彼の視界から色が消える。力強く抱きしめていたはずなのに彼は両腕を開き、両脚を投げ出して、冷たいコンクリートのようなものの上にあんなににも大の字になっているようだ。
急に腹に激しい痛みを覚え、ぎゅうと瞼をつぶってから、彼は目を開ける。
彼は、仲間たちの声が響く、藍色の、世界に広がるような数多の星が占める空にたどり着いた。