守るべきもの
「おせぇな・・・」
リヴァイとエレンは二人で広間に待機していた
「エルヴィンの野郎共・・・待たせやがって
憲兵が先に来ちまうぞ」
リヴァイはエレンをちらりと見る
エレンは無表情のままだ
「大方、クソがなかなか出なくて
困ってんだろうな」
「ハハハ・・・」
エレンは無表情のまま笑う
リヴァイは紅茶を一口すすり
カップをソーサーに置いた
「兵長、今日はよく喋りますね」
二人しかいない空間にエレンの声が響く
今まではリヴァイ班のみんながいた空間だ
「バカ言え
俺は元々結構喋る・・・」
「すみません
オレがあの時、選択を間違えなければ
こんなことに・・・兵長にもケガまで・・・」
「・・・言っただろうが
結果は誰にもわからんと」
沈黙が流れる
コンコン ガチャッ
沈黙を破ったのは
扉の音だった
「遅れて申し訳ない」
「いえ・・・」
入ってきたのはエルヴィンだけではなかった
「アルミン?ミカサも・・・」
「女型の巨人と思わしき人物を見つけた」
「え・・・?」
一度全員椅子に座った
そして資料が渡される
「目標は普段ストヘス区中で憲兵団に所属している
今度こそ目標・・・
女型の巨人を捕らえるために作戦を立てた
決行日は明後日
その日に我々とエレンが王都に
招集されることが決まった」
「!」
エレンの表情が堅くなる
「現状ではエレンの引き渡しは避けられない
そうなってしまえば
壁の破壊を企む連中をおびき出すのが
困難になる・・・ひいては人類滅亡の色が
濃厚になっていく
これらすべての危機を打開するべくして
作戦は立てられた
これに全てを賭ける
次は・・・ないだろう」
エルヴィンのその言葉で
場の空気が更に重くなる
そして作戦の大まかな説明が行われる
(すげぇ・・・
正直、もうだめだと思ったが
これさえ成功させれば状況は一気に好転する
そもそも女型が誰なのか特定できてるなら
成功は堅くないか?)
「やったな」
エレンがボソッとアルミンとミカサに呟いた
しかし二人の表情は暗いままだ
「?」
「女型の正体だが・・・
これを割り出したのはアルミンだ
この作戦を立案したのも彼で
私がそれを採用した」
エレンはアルミンを見た
「女型と接触したアルミンの推察によるところ
いわく女型は君たち104期訓練兵団である
可能性があり
生け捕りにした2体の巨人を殺した
犯人とも思われる
彼女の名は・・・
アニ・レオンハート」