守るべきもの
エレンは目を見開く
「アニが・・・女型の巨人?
何で、そう思うんだよ・・・アルミン」
アルミンはゆっくり口を開いた
「女型の巨人は、エレンの顔を知っているばかりか
同期でしか知りえないエレンのあだ名
『死に急ぎ野郎』に反応を見せた
何より大きいのは2体の巨人を
殺したと思われるのが・・・アニだからだ」
「は・・・?」
「あの2体の殺害には高度な技術が必要だから
使い慣れた自分の立体機動装置を使って
検査時にはマルコのものを提示して
追求を逃れたと思われる」
「ど、どうして・・・
マルコが出てくる?」
「・・・わからない
僕の見間違いかもしれない」
「・・・は?」
「オイガキ
さっきから女型と思われるだとか言ってるが
他に根拠はないのか?」
エレンよりも先にリヴァイが口を挟んだ
「・・・」
「今はまだ公表できないが
他にもアニ・レオンハートが女型だという
根拠はきちんとある
まず間違いないだろう」
エルヴィンが答えた
「公表出来ない?
俺やエレンには言えないような
根拠なのか?」
「そういう訳じゃないんだがね
だが確かな情報筋だ・・・そこは私が保証する」
リヴァイはエルヴィンを睨む
「つまり・・・俺達にはその曖昧な根拠で
やれって言ってるんだな・・・」
「・・・な、なんだよそれ
本当に確かな情報なのかよ!?
もしアニじゃなかったら・・・」
「アニじゃなかったら
アニの疑いが晴れるだけ」
ミカサが言う
「もしこのまま何もしなければ
エレンは中央のヤツの生贄になるだけだ」
アルミンはエレンに訴える
「アニを・・・疑うなんて
どうかしてる・・・」
「エレン
アニと聞いた今思い当たることは無いの?
女型の巨人と格闘戦を交えたのなら
アニの独特の技術を目にしたりしたんじゃない?」
「・・・・・・」
エレンは口を閉じた
「わかった・・・
エルヴィン、お前の判断を信じよう」
リヴァイは頷く
こうして、
女型の巨人捕縛作戦は決行されることになった