守るべきもの
ゴォォォォォォォォォォッ!!!
突然一帯に熱風が吹き上げる
「熱っ・・・!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
その衝撃で
壁上にいた兵士たちは一気に吹き飛ばされる
「クッ・・・
みんな!立体起動に移れ!」
「ハッ」
エレンの叫び声に反応して
全員が立体起動装置を作動させ
壁にワイヤーを伸ばした
「おい!!サムエル!!」
頭から血を流して意識を失ったサムエルが
地面に向かって落ちていく
「サムエル!!」
「サシャ!?」
サシャが落ちていくサムエルに
ワイヤーを伸ばした
ぶしゅっ
サムエルの足にアンカーが突き刺さり
かろうじて地面に叩きつけられずに済んだ
「うぅっ・・・」
「動いちゃダメだよ」
素早くケイがサムエルを抱きかかえて
地上へ降ろす
「危なかった・・・」
バキバキバキバキ
ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!
その瞬間
大きな衝撃と音と共に扉が吹き飛んだ
「壁が壊された・・・」
「まただ、また巨人が入ってくる・・・
ちくしょう・・・やっぱり人類は巨人に・・・」
「サシャ!!サムエルを任せた!!」
「ケイ!?」
ケイが叫ぶ
「固定砲整備4班!先頭用意!
目標目の前!!超大型巨人!!」
次にエレンが叫んだ
「壁を壊せるのはコイツだけだ!!
コイツさえ仕留めれば・・・!!!」
ケイとエレンは壁上に再び立った
(で、でかいっ
他の巨人と比じゃない・・・こんな奴が)
その時、超大型巨人が大きく振りかぶる
「エレン!飛んで!!」
バキバキバキバキッ
壁上を削り取るように
腕を振り切った
(固定砲が・・・!!
開閉扉を狙ったり固定砲を狙ったり・・・
こいつ、知性があるの!?)
横目にエレンを見ると
エレンはそのまま超大型巨人の後方へ向かっていた
ケイはそれを確認すると
超大型巨人の額にワイヤーを突き刺す
(じゃあ私は目をっ・・・)
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ
「なっ!?」
二人は斬撃の手応えの無さと
目の前の光景に驚く
「き、消えた・・・!?」