守るべきもの
その後、すぐに超大型巨人出現時の作戦が決行された
当然のことながら
私たち訓練兵も全員収集され、作戦に参加する
「・・・」
ちらっと隣にいるサシャの様子を見る
ブルブルと震えている
当然のことだ
「サシャ、顔色が悪いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫です
こんなことでめげていたら
調査兵団なんてなれっこないですからね」
「・・・行こうサシャ
絶対に生き残って帰ろう」
ケイはサシャの手を握り引っ張った
「はい」
巨人は思っていたよりも早く
そして大量に中の方まで侵入してきていた
(つまり、前衛は壊滅的ってことね・・・)
「ギル!私たちはまだ訓練兵
巨人と遭遇したら引き付けるだけ引きつけて
逃げるわよ!!精一杯時間稼ぎしましょう!」
ケイが班長のギルに言った
「はぁ!?馬鹿言うな!
逃げてるだけじゃなんにもならねぇだろうが!」
「落ち着いて、前衛の先輩方が食い止められなかった
巨人を私たちだけでどうにかできるわけないっ
命を無駄に落とすだけよ!」
「ギル、ケイ 落ち着いてください
もう巨人はそこらじゅうにいるんですから!!」
サシャが間に入る
「お、おい!!来るぞ!!」
班員の一人が叫んだ
前方から2体の巨人が向かってくる
「きやがったな・・・」
その場にいた全員が構える
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
「ギル!?いきなり突っ込んじゃダメ!」
ギルは正面から突っ込んでいく
「・・・クソッ!!」
巨人に近づくと想像以上の恐怖が
ギルを襲った
ギルはそのまま2体の巨人の間を素早くすり抜け
後ろ側へ回る
巨人はそのまま直進を続けて
ケイたちの方へ駆けていく
「私たちも散らばって!
巨人を中央の方へ引き付ける!壁から遠ざけて!!」
各々が一斉に立体起動に移り
なるべく中央を目指す
「ちっ、追いかけてくるぜ」
2体とも全力で追いかけてくる
後ろをちらっと伺う
グシャッ
「!?」
一瞬だった
「け、ケヴィン!!!」
横から突然もう一体巨人が現れ
班員の一人を握りつぶした
「そ、そんな」
「この野郎・・・絶対許さねぇ!!!」
ギルが班員を握りつぶした巨人の方へ向かう
「ギル!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ガッ
しかしすぐに脚を掴まれてしまう
「や、やめろーーーーーーー!!」
他の班員もその巨人に向かって飛んでいく
巨人は持っていたギルを投げ飛ばす
グシャッと何かが潰れるような音をさせて
地面に叩きつけられた
もう一人の班員は飛び出したと同時に
先ほどの2体が追いついてきて
ワイヤーを引っ張られ、壁に体を強打した
「くっ」
意識はあるようだが
身体がいう事を利かないようだ
その班員を助けに向かった一人は
突進してきた巨人にそのまま喰われた
動けなくなった班員は
巨人につままれゆっくりと口へ運ばれる
「いっいや!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「みんなーーーーーーーっ!!!」
サシャも助けるために巨人へ向かう
「ダメっ・・・」