守るべきもの
ズシズシズシャッ
一瞬で2体の巨人が倒れた
「ケ、ケイ・・・?」
「サシャ!そのまま後方へ避けて!!」
「はい!」
サシャは反射的にワイヤーを後方へ伸ばす
ケイはそのまま直進し
最後の1体の目を潰した
「削ぎ落としてやる・・・」
ゾクッ
サシャは寒気が走る
いつも笑顔で明るいケイの冷たい表情を
初めて目の当たりにした
最後の一体のうなじを削ぎ取る
「ケイ・・・こんなに強かったんですね」
巨人の返り血を浴びたケイが
スタスタと歩いてサシャの所へ向かう
「大丈夫?」
「は、はい・・・でも、みんなが・・・」
「ごめんなさい・・・私が最初から戦えば
こんなことにはならなかったのに・・・」
ケイの瞳から涙が溢れる
「そ、そんなことっ」
「・・・サシャ、これから別行動よ
鐘の合図が鳴ったら合流しましょう
あなたは今から別の班を探して
一緒に行動して・・・なるべく逃げて
生き残って」
「え?ケイは・・・」
「私は少しでも巨人の数を減らしてくる」
「そんな!一人じゃ無茶です!!」
サシャはケイの腕を掴む
「私は大丈夫だから・・・信じて」
真っ直ぐとした目をしていた
何事にも揺らがない目
「だったら私もっ」
「ダメよ
正直足でまといでしかない」
「そんな・・・」
「お願い、大丈夫だから
そしてこのことは・・・絶対秘密にしといて」
ケイは立ち上がり
立体起動装置を使いその場を離れた
「・・・絶対、生きててください」
サシャも立ち上がり
他の班を探すことにした