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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】前編

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「あんたは分かりやすいね。ノアールと一緒だ」
「ノアールが?」

意外な気がした。蒼雪の知っているノアールは、無口で不機嫌そうに眉を寄せて、皆と関わるのを避けているようなのに。

「そ。あいつは、考えてることがすぐ顔に出る。ミドリもね。あれは血筋だね」
「え?」

突然ミドリの名を出されて混乱していると、シザーズの呆れたような声が響く。

「えー、それも知らないんだ? ノアールとミドリは親戚なんだよ。母親同士が従姉妹なんだ」
「えっ!? でも、出身が」

ノアールは、ヴァイスと同じ北方の出身で、ミドリはモモと同じこの地方の出だと聞いている。だが、シザーズは笑って手を振った。

「だーかーらー、ノアールの母親が北に嫁いだの。あいつの髪、真っ黒じゃん。名前は向こうのだけど」

言われてみれば確かにそうだと、蒼雪は頷く。北方の出身なら、茶か金になるはずだ。

「今は、家族全員、こっちに移ってる。まだ面会は禁止だけど、いつか許可が降りるかもしれないからって。シアンが支部長になって、大分変わったし」

シザーズは、寄りかかっていた岩から身を離し、再度伸びをした。

「まあ、そんな訳だからさ。あいつが部屋に籠もってても、気にしないでよ。蒼雪を避けてるんじゃなくて、あたしと会ってるだけだから」
「それは良かった。嫌われてるんじゃないかって、心配したよ」
「それ、本人に言うなよ。めっちゃ気にするから。根は小心者なんだ」
「へえ、意外だな」

二人でクスクス笑いあうと、帰還するべく、馬の手綱を解く。シザーズが馬上によじ登りながら、

「ま、今日は、じっくり話せて良かった。あんたが想像以上に鈍感だって分かったし」
「酷い言い種だな」
「ジェネラルのこと、嫌いだろ?」

予想外の言葉に、蒼雪は言葉に詰まった。シザーズは、呆れたように肩を竦める。

「ジェネラルはさー、あんたのこと頼りにしてんだよ。自分がいなくなった後、あんたに皆を引っ張って欲しいって思ってんだ。そう邪険にすんなよ」
「え、あっ、いなくなる? どういう」

シザーズは無言で、馬の首を元来た方角へ向けた。伏せた目はどこか暗く、蒼雪は背にひやりとしたものを感じる。

「・・・・・・ジェネラルは、「神の子」に向かうはずの負担も、自分で引き受けてる。どういう理屈かは、知らないけどさ」

蒼雪が問いただす前に、シザーズは馬の腹に蹴りを入れ、走り去った。