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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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日が傾き、室内に差し込む日が茜色へと変わる。蒼雪はモモとヴァイスに別れを告げ、宿舎を出た。
夕暮れの中、保管庫の側を通りかかると、人影が扉の前に揺れている。

「ジェネラル?」

声を掛けると、相手は驚いたように振り向いた。黒い瞳が探るように蒼雪へ向けられる。

「ああ、蒼雪か」
「シアンさんでしたか。失礼しました」

蒼雪は軽く会釈して通り過ぎようとしたが、シアンが並んでついてきた。

「宿舎へ行ってたのかい?」
「ええ。モモが退屈しているかと思って。紅葉やシザーズも来ていたようです」
「ジェネラルは?」

その声の緊迫した調子に、蒼雪は反射的に、散歩に出ているようだと、嘘をついた。

「宿舎の窓から、姿が見えましたよ。退屈だとぼやいていましたから。支部長命令で、外には出られないと」
「そう・・・・・・それならいいんだ。敷地内にいてくれれば」

安堵した様子のシアンに、蒼雪は胸騒ぎを覚える。シアンは、保管庫で一体何をしていたのだろう?

「ジェネラルが、何か?」
「え? ああ、いや。勘違いだと思うんだけど。最近、封印物の数が合わないと言われてね。ジェネラルが持ち出しているんじゃないかって・・・・・・いや、勿論、彼が始末してくれるのはありがたいんだ。ただ、持ち出す時は、声を掛けてもらいたいなと。職員がびっくりするからね」

アハハと笑うシアンに、蒼雪は曖昧に頷いた。
保管庫の話をした時のジェネラルの様子と、「実験だ」という言葉が、胸中に暗い影を落とす。

「それで、保管庫に?」
「うん、まあ、もしかして、ジェネラルがいるかと思って。でも、鍵は職員しか持っていないから、彼が勝手に出入りすることはないと思うんだけどなあ」

首を傾げるシアンに、複製を持っていれば可能だと言いかけて、蒼雪は口をつぐんだ。余計なことを言って、ジェネラルを不利な立場に追いやりたくない。
確かに、鍵の保管には細心の注意が払われているが、近づけない訳ではない。その気になれば、蒼雪でも手に取ることが出来ただろう。

・・・・・・それに、彼が持ち出したと決まった訳じゃない。

職員の勘違いかもしれないと、蒼雪は考えた。忙しさから、うっかり記録が漏れたのを言い出せず、責任を押しつけているのかもしれない。人形に好意的な者ばかりではないのだから・・・・・・。

「きっと、勘違いだよ。書類が一枚抜け落ちたとか。僕もしょっちゅう怒られてる。怖いからね、事務長は」

シアンがアハハと笑い、蒼雪は曖昧に頷く。きっと勘違いなのだと、自分に言い聞かせながら。